生まれつき不安になりがちは人は「健康的な神経症」を目指そう!みたいな話
不安になりやすい人は老化しやすいが……
「神経症傾向は幸福度を下げる!」ってデータは山ほどあるわけです。これは不安や心配を感じやすい性質を表す言葉で、神経症傾向だと自分のポテンシャルを発揮できないとか、食べ過ぎで太りやすくなっちゃうとか、いろんなデメリットが指摘されてるんですな。
昔から神経症傾向が高い私としては嫌になっちゃうんですが、いっぽうで「神経症傾向で老化が防げることもある!」って論文(1)があるのもおもしろいところです。
これはロチェスター大学の研究で、1,054人の男女を対象にしたもの。まずは全員のビッグファイブを計測したうえで、それから5年にわたって追跡調査を行ったんですね。「ビッグファイブって何?」という方は、「3分で自分の性格を正しく理解するショートビッグファイブ検査」などをご参照ください。
なかには神経症傾向でも体が老化しない人がいる
そのうえで、全員の血液検査を行ったところ、
- ある種の神経症傾向を持った人は、体内の炎症物質(IL-6)の量が少ない!
って結果だったんですな。IL-6ってのは免疫システムに関わるタンパク質で、こいつの数値が高い人ほど体内で炎症が起きがち。炎症は万病の元なんで、よく体内の老化を計る指標として使われるんですな。つまり、本来なら神経症傾向が高い人は病気になりがちなんだけど、一部の人は神経症傾向でも体が若かったわけっすね。
では、どんなタイプの神経症がよかったのかといえば、
- 神経症傾向+誠実性
の組み合わせだったそうな。つまり、不安になりやすいけどコツコツ真面目にやれるタイプですね。
誠実性が神経症傾向をプラスに変える
研究者いわく、
(神経症傾向+誠実性の)特性を持った人は、自分の行動の結果に重きを置きやすい。そのため、神経症傾向が良い方向に働き、危険な行動を控えるようになるのだろう。
おそらく、「健康的な神経症」を持つ人々は、人生に何らかの問題が起きたときに、可能な対策を探そうとする性行が他よりも高い。これは、持ち前の誠実性によって、病気を前もって予防したり、気分が悪いときに素早く対処を行うことが可能になるからだろう。
とのこと。誠実性が組み合わさることで、神経症傾向の「用心深さ」が役に立つわけですな。幸いにも私は誠実性のスコアが高いので、これはありがたい話です。
神経症傾向の人はとにかく行動が大事
ちなみに、神経症傾向が高くて誠実性が低いときはどうすればいいのかと言えば、
神経症傾向の人は、未来を心配しすぎるあまり、行動が取れなくなってしまうケースが多い。そこで大事なのは、「行動をする」ことの価値をあらためて認識することだ。これによって、神経症傾向のマイナス面はかなり減らすことができる。
だそうな。神経症傾向の人は物事を考えるのは得意なんで、その思考を行動に移そうぜ!ということっすね。
事実、過去には「if-thenプランニングを使うと誠実性が上がる」なんて話もありましたんで、まずはこのへんのテクニックを使いつつ、「健康的な神経症」を目指していけばよいのではないかと思うわけです。