緑茶を1杯飲むと発がんリスクが下がるぞ!というメタ分析の話
お茶でがんは予防できるか?問題
お茶が体にいい!って話は過去にさんざん書いてたりしますけど、新しく「がん予防にも効くぞ!」ってデータ(1)が出てました。こりゃあいいですなー。
これは 荆楚理工学院などの研究で、お茶と発がん率について調べた先行調査から信頼レベルが高めな14件を抽出。5,920人のサンプルを分析にかけたメタ分析になっております。
そのうち8件はアジアの研究で、残る2件がアメリカ、3件がヨーロッパ、1件がアフリカって感じになってまして、サンプルの散らばりもいい感じです。でもってここから何を調べたのかと言いますと、
- お茶で口腔がんは予防できるか?
ってポイントです。口腔がんは、その名のとおり舌とか歯肉にできるタイプの悪性腫瘍であります。
緑茶1杯ごとに発がんリスクがぐんと下がる
で、ここでは用量反応解析ってのをやってまして、ひらたく言いますと、
- どれぐらいお茶を飲むと発がんリスクって下がるの?
を調べてくれたんですな。もともと「お茶ってがん予防にいいんじゃない?」とは言われてたものの、果たして1杯あたりどんぐらいの効果があるのかはよくわかってなかったんですよ。
ってことで、すべてひっくるめたら、こんな結果になりました。
- 緑茶を200〜240ml飲むごとに口腔がんリスクが6.2%下がる!
- ただ、どこらへんで上限が出るのかはよくわからない
これはなかなかの違いが出ましたねー。お茶1杯ごとに6%ってのはかなり良いのでは。
ちなみに、お茶のタイプごとの効果を調べた分析だと、「紅茶には同じメリットが確認されなかったよー」って結果が出てるのも面白いところ。ここらへんは謎ですけど、紅茶のほうが酸化の時間が長いので、抗がん作用が減ってしまったのかなー?ぐらいの感じです。
緑茶でこのような効果が得られるのは、みなさんご存知カテキンのおかげであります。お茶に入ってるポリフェノールの一種ですな。
緑茶のEGCGが効いてるっぽいよ
カテキンにもいろんな種類がありますけど、このデータで注目されてるのはEGCGってやつです。当ブログを長らくお読みの方には定番のポリフェノールで、
なんてデータがあったりします。とりあえず体重減少については質の高いデータもありまして、個人的にもポテンシャルが高そうだと思ってるんですな。
また、近年の生体外研究では、がん細胞の酵素や遺伝子の活動に働きかけることもわかってきまして、こいつのおかげでがん細胞の自然死が起きるんじゃないかと考えられております。まだメカニズムは不明ながら、いかにもありそう話ですわな。
ってことで、とりあえず緑茶ががん予防によい可能性は高めなんで、積極的に飲んでおくのがよろしいかと存じます。「EGCGのサプリはどうなの?」と思われる方もおりましょうが、食品は効くのにサプリは効かないってケースはよくあるんで、現段階では緑茶を推奨しておきたい所存です。どうぞよしなに。