不安や鬱よりも「自尊心の低さ」のほうが人生を壊すかもしれないぞ!というデータ
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鬱や不安ぎみな人ほど良からぬ行動を取りやすいのは、直感的にもわかりやすい話。たとえば、
- 食べ過ぎ
- アルコール中毒
- 薬物依存
などにハマってしまいがちな傾向は、いろんなデータでも確認されております。
ただ、新しいデータ(1)では「それよりもっと悪影響がデカいのは自尊心の低さだ!」って結論になってて、なるほどねーって気分になりました。
これはマンチェスター大学などの研究で、707人の学生に「これまで自己破壊的な行動をしたことがありますか?」と尋ねたもの(参加者のうち119人はLGBTQ)。自己破壊的ってのは、自傷やドラッグ依存などを意味しております。
そのうえで、全員の不安傾向やパーソナリティなんかもあわせてチェックしたところ、
- LGBTQの35%がなんらかの自殺を試みる行動を取ったことがあるのに対し、ヘテロセクシャルは14%だった
って傾向がまず出ております。なかなかハッキリした違いが出ましたな。
でもって、ここからさらにデータを掘り下げると、
- LGBTQやヘテロを問わず、もっとも人生に悪影響がデカいのは「自尊心の低さ」だった
って結果も出てたりします。つまりLGBTQの学生は、差別や偏見などのせいで正常な自尊心が育まれず、そのせいで破壊的な行動に出やすくなるんだ、と。
研究チームいわく、
今回のデータは、自尊心の低さがLGBTQの学生たちの自傷リスクを上げることを示している。興味深いことに、自尊心の要素を組み込むと、不安や鬱の影響レベルは消えてしまった。
とのこと。鬱や不安よりも何よりも、とにかく自尊心の低下が多くの人に破壊的な行動を取らせるわけっすな。
ちなみに、この研究で言うところの「自尊心」は、「人間がもっとも素で幸せに生きられるのは何歳からだ?というメタ分析 」で紹介したものと同じです。すなわち、
- 「自分は今のままで価値があるなぁ」と思える状態
のことでして、たとえ「俺は年収も低くて頭が悪いなぁ」と感じていたとしても、「まぁもうちょい頑張ればなんとかなるかな」とか「別にそれでも問題はないな」みたいに思えれば自尊心は高めであります。ちょっとセルフアクセプタンスにも通じるところがありますな。
逆に「俺は年収も低くて頭が悪いから価値がないのだ!」と思ったら、かなり自尊心は低め。まずは現状を受け入れる作業が最優先になってまいります。
とりあえず個人的には、このデータを見て、「ちょっと自尊心の影響度を甘く思ってたなぁ」とか反省しましたね。