つい不健康なジャンクフードを食べてしまう原因、それは「互恵性耽溺」
ダメだと思ってもつい不健康なものを食べてしまう!って現象にはいろんな原因があって、
なんてのが代表的な例なわけです。いずれも基本的には脳の問題が大きい感じっすね。
なんだけど、新しいデータ(1)ではさらにもうひとつ、「互恵性耽溺も体に悪い食品を食べ過ぎちゃう大きな原因だよ!」って結論になってて、「いかにも!」って気分になりました。
不健康なメニューを頼んだ人の特徴とは?
これは大学のカフェで行われた調査で、研究チームはレジを観察して649件の注文をチェック。そのうえで、高カロリーなメニュー(フラペチーノみたいな)を頼む客はなにが違うのか?ってところを調べたんですな。
そこでどんな傾向がわかったかと言うと、
- ひとりで来た客の場合、低カロリーなメニューと高カロリーなメニューを選ぶ確率は半々だった
- しかし、複数で来店した場合、前の友だちが高カロリードリンクを注文すると、次の客が不健康なメニューを頼む確率が83%にはねあがった
だったらしい。いっしょに行った友だちが高カロリーなものを選んだら、自分も高カロリーを選ぶ確率が33%ぐらい高くなるわけですね。さもありなんって感じですな。
無意識のうちに仲間の行動をコピーしてしまう
しかも、この傾向には以下のような違いも出てまして、
- 前の友だちが健康的なドリンクを注文したときは、自分も健康的なメニューを選ぶ確率は8%ぐらいしか上がらない
みたいな傾向もあったそうな。不健康なオーダーには強く引っ張られるけど、健康的なメニューにはあんま左右されないみたいっすね。
研究チームいわく、
仲間が選んだ不健康な食事に引かれてしまう傾向は、健康的な食事よりも高かった。これは、友人を悪い気分にさせないように、無意識のうちに仲間の行動をコピーしてしまうからだと思われる。
ってことで、この現象を「互恵性耽溺」と名づけておられます。空気を読んでなんとなく不健康なものを選んじゃう心理傾向っすね。
また、この研究では対照実験もやってて、174人の女性を2つのグループに分けております。
- 友人といっしょにバーガーショップへ行き、友人が先にハイカロリーなオーダーをする
- 知らない人といっしょにバーガーショップへ行き、知らない人が先にハイカロリーなオーダーをする
これで注文に差が出るかを調べたところ、
- 友人といっしょの場合=自分も高カロリーバーガーを頼む確率が51%
- 知らない人といっしょの場合=自分も高カロリーバーガーを頼む確率が29%
みたいな結果だったそうな。やはり普段からの結びつきが強い相手ほど、なんとなくオーダーの内容を合わせてしまうんだ、と。
一般的には、不健康なものを食べる人は、短期的な喜びを元める自己本位な人物か、セルフコントロール能力を欠いた性格だとみなされがちだ。しかし「互恵性耽溺」は、自分の健康や好みをかえりみない、自己犠牲の精神のうえに成り立っている。
確かに、「いっしょの食事」は友情を生むための最良の方法のひとつなんで、ほかよりも「相手に合わせないと!」と思わせる作用が強いのかもですなー。
ってことで、今後だれかと食事に行くときは「このオーダーは互恵性耽溺ではないか?」とか意識しておくと、ムダなカロリー摂取をふせげるかもしれません。そもそも、相手が健康的なメニューを頼んだからといって気を悪くするような人は少数派でしょうしね。