今週の小ネタ:メンタルに効く運動量、運動と脳の若返り、恋人のイメージとストレス
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
メンタルの改善に効く運動量とは?
最初はカリフォルニア大学などの研究(R)で、およそ611,583万人分のデータセットを使って、「運動はどれぐらい目メンタルにいいの?」って問題をメンデルランダム化で調べたものです。
メンデルランダム化については過去のエントリを参照していただければと思いますが、超ざっくりいうと、観察研究でも原因と結果を特定しやすい分析法のこと。これを使うと、
- 運動するとメンタルが改善するの?それともメンタルが健やかな人だから運動が好きになるの?
って疑問にある程度の答えが出せるんですな。なかなか新しいタイプの研究で、よろしいのではないでしょうか。
そこで出た結論を申し上げますと、
- 1日15分のランニングでうつ病の発症リスクは超下がる!
- ランニングが嫌なら1時間のウォーキングでも同じ効果が得られるよー
- というか、積極的に家事をやるだけでも効果はあるよー(掃除とかガーデニングとか)
だったそうな。まぁ運動がメンタルにいいってのは常識ですけど、あらためて因果関係があきらかになったのは良い話じゃないでしょうか。
運動と脳の若返り
次はコロンビア大学の研究(R)で、普段はあんま運動をしていない男女132人を2つのグループに分けております。
- 軽いストレッチをやる
- 有酸素運動をやる
いずれのグループも運動のペースは週に4回で、有酸素運動の内容はサイクリングやウォーキングだったとのこと。
それでどんな違いが出たかと言いますと、
- 有酸素運動をしたグループは脳が20歳も若返った!
だったそうです。これはすごい成果ですな。
研究チームいわく、
エクササイズを始めた被験者は、40歳の場合は脳が10歳若返り、60歳の場合は脳が20歳も若返った。
研究のスタート時点ではどの被験者も思考スキルが低かったが、有酸素運動により加齢にともなう脳機能の低下が大きく改善するようだ。
とのこと。実際、有酸素運動をやったグループは前頭葉のボリュームが増してたそうで、あらためてエクササイズをしなければ!って気になりますなぁ。
恋人のイメージとストレス
最後はアリゾナ大学の研究(R)で、まずは102人の男女に「冷たい水に足を4分ひたしてください」と指示して、わざと身体的なストレスをあたえたそうな。そのうえで、全体を3つのグループにわけております。
- 恋人が同じ部屋にいると想像する
- 恋人のことを想像する(同じ部屋にいるイメージは浮かべない)
- その日に起きたことを想像する(コントロール群)
で、結果がどうだったかと言いますと、
- 恋人のことを想像したグループは、どちらもコントロール群にくらべて血圧が上がらなかった!
だそうです。通常、ストレスを感じると人間の体は血圧が上がるもんなんで、恋人のイメージにはメンタルの負担を減らす働きがあると考えられるわけですな。
そういえば、ちょっと前にも「恋人が着たTシャツの臭いでストレスが減った!」って話がありましたが、想像を浮かべるだけでもいいんですねぇ。