今週の小ネタ:あの感情で睡眠の質が下がる、不安感に苦しみがちな人の特徴、血圧を簡単に改善するトレーニング法
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
睡眠の質は”あの感情"でも激しく低下する!
まずは95人の男女を対象にした研究(R)で、
- 全員の睡眠の質を調べる
- さらに、全員の孤独感をチェックする
- 2つのデータを比べる
みたいなデザインになってます。つまり、この研究チームは「孤独感が睡眠の質を低下させてるんじゃないの?」と考えたわけっすね。
孤独は健康リスクと相関がある。その原因として、孤独感により睡眠の質が下がるからではないか、との仮説を立てた。
孤独は体に良くないよーってのは「最高の体調」でも強調したところですが、それは睡眠に悪影響があるからではないか?という話っすね。
果たして、その結果は予想どおりでして、
孤独感が強くても、トータルの睡眠時間が変わるわけではなかった。しかし、孤独感の強さは、夜間の中途覚醒と強い相関があった。
だそうです。夜中に目が覚めちゃうのは不眠の典型的な症状でして、「睡眠不足よりツラい!」とも言われてたりします。確かに厳しいっすなぁ……。
もちろん、この結果だけだと「孤独で中途覚醒が起きる!」とは言えないんですけど、親密な人間関係が築けないことによる不安感が睡眠のジャマをするって可能性は十分あるんじゃないでしょうか。
不安感に苦しみがちな人の大きな特徴とは?
次は広島大学などの研究(R)で、不安障害や強迫性障害に悩みがちな人の特徴とは?って問題について調べた内容になっております。これはアメリカの学生にオンラインでアンケートを取った研究で、
- みんなの行動パターンを調べる
- 全員が「責任感」についてどう考えているかをチェック
といった手順でリサーチをしたところ、
- 自分の責任を重くとらえすぎる人ほど不安に苦しみがち!
って傾向が確認されたんだそうな。もうちょい具体的に言うと、不安感に苦しむような人は以下の質問に「イエス」と答えやすいんですよ。
- どんなにささいな行動でも、その結果について徹底的に考えてしまう
- ものごとが悪い方向に進んだときに、責任を重くとらえすぎてしまう
この現象について研究チームは、こんな例を挙げてます。
たとえば、仕事のために2つの音声レコーダーを用意する人は少なくない。これなら、もしひとつが壊れても対応できるからだ。
しかし、ここでもっと大量のレコーダーを用意したらどうだろう?逆に仕事の能率は下がってしまうはずだ。
不安に悩みがちな人ってのは、失敗を恐れて用意をしすぎるあまり、逆にネガティブな感情にとらわれやすいみたい。なんかわかりますね。
ではどうすればいいのか?ってことですが、研究チームは以下のように言っておられます。
もっとも手軽な対策は、あなたの不安の裏には「責任感」があるという事実に気づくことだ。私が「なぜそんなに心配しているの?」と尋ねると、多くの人は「わからないけど心配が止まらないんです」と答える。
しかし、ここで「なぜなら自分は責任感を感じているからだ」と思えれば、自分の行動と責任感のあいだに余裕が生まれる。
たんに「責任感が不安の原因なのだ!」と気づくだけでもネガティブ感情の暴走を食い止めることができるんだ、と。脱フュージョンみたいなもんなでしょうねぇ。
血圧を簡単に改善するトレーニング法はこれだ!
最後はメリーマウント大学などの論文(R)で、「血圧を下げる簡単な方法はこれだ!」みたいな内容になっております。
これは高血圧に悩む41人の女性を対象にした研究で、全体を2つのグループに分けてます。
- 1日2〜5回ずつ、週4のペースで階段を上る
- なにもしない
エクササイズをしたグループは、平均で1回192段ずつ階段をのぼったとのこと。それでどんな違いが出たかと言いますと、
- 階段を上った人は血圧が激しく下がり、脚力も大きく向上した!
だったそうな。階段をのぼるだけでも血圧の改善にはかなり有効みたいっすね。
研究チームいわく、
この研究は、ライフスタイルをシンプルに変えるだけでも、高血圧に悩む女性の脚力と心臓の働きに良い影響がある事実を示した。
ってことなんで、血圧にお困りの方は試してみちゃいかがでしょう。