仕事の生産性と集中力をガツンと高める「偶然性プランニング」ってなんだ?
すごーく当たり前の話をしますが、なんらかのゴールを達成するには1日の計画を綿密に立てたほうがいいわけです。
To Doリストを作ったり、その日の作業に優先順位をつけたり、カレンダーにスケジュールしたりと、いずれも最初はめんどうなんだけどやるとやらないじゃ大違い。どの手法も、間違いなく仕事のモチベーションや集中力アップに役立つんですよね。
では、具体的にどのように計画を立てればいいの?ってとこが気になりますけど、そこで役に立ちそうなデータ(R)が出てましたんでメモ。
これはロンドン・ビジネススクールの研究で、187人のビジネスマンが対象。まずは全体を2つのグループにわけてます。
- よくある時間管理法で予定を立てる
- よくある時間管理法+偶然性プランニングを行う
くわしく説明すると、ひとつめの「よくある時間管理法」ってのは上であげた例のとおりで、
- To Doリストを作る
- タスクの優先順位をつける
- カレンダーに細かく時間を指定する
みたいなテクニックのことです。どんなビジネス書でも基本中の基本として出てくる内容ですよね。
で、もうひとつの「偶然性プランニング」は耳慣れない言葉ですけど、要は以下のような感じです。
- 「今日の仕事でどんなジャマが入るだろうか?」と考える
- そのジャマに対する対応策を考え、リスト化しておく
ここでいう「仕事のジャマ」ってのは、自分の作業を中断させるものであれば何をリストアップしてもよくて、たとえば「同僚に仕事を頼まれる」や「急な会議が入るかも」といった外部から来る問題はもちろん、「ついスマホのゲームをしちゃう」や「ダラダラとマンガを読んでしまう」のような自分の意志力に関するトラブルへの対策を考えてみてもOKです。とにかく、仕事の妨げになりそうなものならなんでもアリなわけですね。
実験期間は2週間で、研究チームは定期的に被験者の生産性やモチベーションの高さをチェック。計画の立て方によってどのような違いが出るかを調べたんだそうな。
そこで、どのような違いが見られたかと言いますと、
- 仕事のジャマが入らない場合は、どちらのグループも生産性やモチベーションに違いはなかった
- 仕事のジャマが増え始めると(1日の労働時間の20%ぐらい)、よくある時間管理法だけを使ったグループは生産性が激しく低下。いっぽう偶然性プランニングを使ったグループは、生産性とモチベーションの低下がみられなかった
だったそうです。よくある時間管理法は「中断」に超弱いんだけど、あらかじめ対策をリスト化しておけば問題をクリアできるんだ、と。「偶然性プランニング」のおかげでジャマの対処がうまくなるし、予想もしない中断のおかげで必要以上にイライラしないで済むのが大きいんでしょうな。
ってことで、日々のタスクでジャマが入りがちな人は、「偶然性プランニング」も使ってみると吉。実験の内容をもとに、その手順をざっくりおさらいしますと、
- 1日の始め(もしくは前日の寝る前)に、やるべき作業を普通にリストアップ
- 続いて、その作業について「どんな中断が起きそうか?」と「どれぐらいの頻度で起きそうか?」を予想してリストアップ
- 「中断を減らすにはどうすればいいか?」「自分の作業効率を下げないためにはどのような対応がベストか?」を考えてリストアップ
みたいな感じです。もちろん、「今日は中断が入るとは考えられない!」と思えば、そこまでくわしい偶然性プランニングを行う必要はなく、一般的な計画法でもOKであります。
ともあれ、現代の仕事ではジャマが入らないケースのほうが少ないでしょうから、めんどうがらずに「偶然性プランニング」をやっとくとよさげっすね。