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ドカ食いのせいで激増する「内臓脂肪」に立ち向かうための食事法とは?

 

内臓脂肪は体に良くないよー、体内に炎症を引き起こすよー」みたいな話を「最高の体調」に書いてたりします。文字どおり肝臓とか心臓とか骨格筋につく脂肪のことですね。

 

 

膵臓や筋肉に脂肪がつけば、当然ながら体内の糖代謝に影響が出て、インスリン抵抗性が悪化するのは確実。その結果、糖尿病のようにどえらい状態になってしまうわけです。

 

 

もっとも「なんで内臓脂肪がつくの?」ってのはよくわからない部分も多かったりします。基本的には「食べ過ぎのせいで皮下脂肪を溜め込む能力が損なわれるからでは?」とか考えらえてますが、まだ謎の面もあるんですよ。

 

 

といった状況で、「砂糖で肝脂肪が激増だ!」という内容の論文(R)が出てたんでメモ。

 

これは12人の健康な男女を対象にした実験で、年齢はみんな20代前半。実験に選ばれた条件は、

 

  1. 砂糖入りの清涼飲料水を1日に300ml以下しか飲まない
  2. アルコールも1日に10g以下しか飲まない
  3. 特殊な食事法を使っていない(ベジタリアンとか糖質制限とか)

 

みたいになっていて、だいたい「そこそこ健康的な暮らしをしている人」にターゲットをしぼったわけですね。

 

 

で、実験のデザインはクロスオーバーで、具体的には以下のようになってます。

 

  1. 現在の体重を維持するために必要なカロリーに、50%のカロリーを追加した食事をする
  2. 追加のカロリーは、「スキムミルクに砂糖を加えたドリンク」または「に砂糖を加えたドリンク」で増やす
  3. 以上の食事を11日続けてどんな変化が起きるかを見る

 

ちょっとわかりにくいかもですが、要するに何をチェックしたかというと、

 

  • 適正なカロリーで食事をした場合
  • 高タンパク質と砂糖でオーバーカロリーの状態にした場合(スキムミルク+砂糖)
  • 砂糖だけでオーバーカロリーの状態にした場合(水+砂糖)

 

以上の3パターンで「内臓脂肪のつきかたが変わるかどうか?」を調べたってことです。

 

 

さて、そこでどんな違いが確認されたかと言いますと、

 

  • どんなに三大栄養素のバランスが違っても、食い過ぎは間違いなく脂肪肝を増やす
  • が、タンパク質が多い食事のほうが、あきらかに脂肪肝はつきにくい(600% vs. 240%)

 

って感じになってます。とりあえず「食べ過ぎ」は確実に脂肪肝を増やす原因になりまして、さらに砂糖が多い食事は内臓脂肪を激増させるんだ、と。なかなか恐ろしいですなー。

 

 

まぁ、そうは言っても、この研究では維持カロリーに平均で1,200kcalも追加してるんで、現実的にここまで大量の砂糖を食べるケースは少ないはず。なので、この研究から得られる教訓としましては、

 

  • 食べ過ぎは内臓脂肪を増やすから気をつけよう!
  • タンパク質を増やすと食べ過ぎの悪影響をある程度まで減らせるぞ!

 

みたいなとこでしょうか。やっぱタンパク質は優秀ですなー。

 

 

ちなみに余談ながら、内臓脂肪を減らすためにはカロリー制限の他にも運動が必須なんだけど、2017年のメタ分析(R)によると「有酸素運動は効くけど筋トレは意味がないかも?」って話なんで、内臓脂肪にお困りの方は、そこらへんを留意していただくといいかもしれません。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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