寝る直前に糖質をとればグッスリ眠れて運動のパフォーマンスも上がるかも?みたいな実験
運動のしすぎが睡眠の質を下げるのは間違いなく、例えばアスリートなんかも競技の後はよく眠れなくなり、不安感が増しちゃうことがわかってたりします(R)。私もP90Xとかやってたときは睡眠不足になったことがありました。
というわけで、近ごろよく言われるのが「寝る前に糖質をガッツリとると睡眠の質が上がるのでは?」みたいな話です。ざっくり言うと、糖質には血中のトリプトファンって成分を増やす働きがあって、こいつが良い睡眠には欠かせないんですよ。
事実、過去には寝る前の白米でグッスリ感がアップ!なんてデータもありますからねぇ。睡眠にお困りの方は試してみてもいいのではないかと思ったり。
で、新しい研究(R)は、上記の2つの問題を合わせた内容になってて、
- 寝る前に糖質をとるとどこまで睡眠は改善するか?そして、翌日の身体パフォーマンスはどれぐらい改善するか?
ってところを調べてくれたものです。参加者は18〜30歳までの男性10人で、どんな実験デザインかと言うと、
- 全員、SITぐらいの激しい運動をする
- その後、半分の参加者にはスチームライスを食べてもらい(高GI)、残りの参加者には同じカロリーの半ゆでライスを食べてもらう(低GI)
- 食事の後ですぐに寝て、睡眠の質がどう変わったかをチェックする
- 5日間の間を空けたあと、高GIと低GIのグループを入れ替えて1〜3までのステップをくり返す
みたいになってます。クロスオーバー形式で、高GIと低GIな食事が運動のストレスをやわらげて、睡眠の質を改善してくれるかをチェックしたわけですね。
では、以下に結果です。
- 寝る前に高GIの食事をしたグループは……
- 総睡眠時間が長くなった!(426 vs. 364分)
- 睡眠の効率も改善!(89% vs. 81%)
- 眠りにつく時間も早くなった!(5.7 vs. 24.6分)
- 視覚的な反応スピードも改善した!(-8.9%)
- 特に両グループで違いがなかったのは……
- REMの総時間
- 深い睡眠の量
- 運動のトライアルパフォーマンス
- ジャンプ力
- 寝る前に低GIの食事をしたグループは……
- 特にメリットが確認されなかった
ってことで、運動のパフォーマンスには目立った変化がないものの、高GIの食事による睡眠の改善ぶりがいい感じですねー。特に入眠スピードの改善がかなりすごいことになってますな。
いったん軽く話しをまとめると、
- 寝る前の糖質は睡眠の質を改善してくれそう
- しかし、睡眠の質が改善したからといって、翌日の身体パフォーマンスまで上がるわけではないのかも
みたいになります。ただまぁ、この実験はサンプルサイズが少ないですし、P値なんかを見てると偽陽性の可能性もそこそこ高そうな気はしております(特に睡眠効率とか入眠時間は可能性が高い)。なので、あくまでこの結果は参考ぐらいにお考えください。
ちなみに、「睡眠の何分前に糖質を取ればいいの?」って疑問について明確な答えはまだないんですけど、ある実験(R)では、ベッドに入る45分前に食べたらREM睡眠が増えたなんて報告も出てますんで、ここらへんの数字を参考にしてみたらいいかも。