ニンニクが腸内フローラを改善し、さらに頭もよくするかもだ!みたいなマウス実験の話
この世にスーパーフードなどない!ってのが当ブログの基本スタンスではありますが、そんななかでわりとイイ線を行ってるのが「ガーリック」であります。つまりニンニクですな。
ニンニクの機能性については昔から多くの傍証がありまして、
みたいな報告がいくつも出てたりします。まだハッキリしない面も多々あるものの、とりあえず世間で言われるようなスーパーフードに手を出すならば、その前にニンニクを食べたほうがいいのでは?とか思うわけです。
といったところで、新たにニンニク関連の論文(R)が出てたんでメモ。これはルイビル大学の実験で、「ニンニクで頭が良くなるかもよ!」って可能性を示唆する内容になっております。まだマウス実験のレベルながら、ちょっとおもしろい研究ではないかと。
具体的にどんな実験だったかというと、
- 高齢のマウス(人間でいうと56〜69歳ぐらい)に、ニンニクから抽出した硫化アリルを与える
- 硫化アリルを与えられてないマウスと脳機能の違いをくらべる
みたいな感じです。硫化アリルってのはニンニクの臭いのもとになってる成分で、昔から抗酸化性能の高さでよく知られてきた物質であります。
結果、硫化アリルを与えられたマウスには以下の変化が確認されました。
- 短期記憶&長期記憶が改善!
- 脳機能の低下に関わる遺伝子(NDNF)の発現が変化!
だったそうな。要するに、ニンニクで記憶力が上がるかもしれないんだ、と。
このような変化が起きたのは、硫化アリルによって腸内フローラが改善したからだそうな。なんでも、硫化アリルを摂取したマウスは硫化水素の量が増えて、腸内の炎症がガッツリと減ったみたいなんですな。
研究チームいわく、
今回の研究は、ニンニクにふくまれる硫化アリルが健康的な腸内フローラを維持し、そのおかげで高齢者の認知機能が向上する可能性を示唆した。
腸内フローラの多様性は高齢になるほど低下していく。これは、アルツハイマーやパーキンソンといった神経変性疾患の発症、または記憶力や認知機能の低下と相関している。
とのこと。最近は「腸が脳とつながってる!」みたいな話をよく聞くようになりましたが、この研究チームも「年を取って脳の働きが下がる原因は腸にあるんじゃないの?」と考えてるわけですね。
もちろん脳機能の低下が起きる原因はそれだけじゃないでしょうけど、ここ数年は、乳酸菌でメンタルが改善する経路なんかもわかりつつありまして、腸内環境が大きな役割を果たしてる可能性は高め。記憶力アップのためにニンニクを食べようぜ!とまでは言わないものの、「頭が良くなるオマケもあるかも?」ぐらいの気持ちで取り入れる価値は十分にありそうな感じ。なんといってもニンニクは美味いですしね。