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今週の小ネタ:香りと悪夢、アルツハイマーを起こす食べ物、サイコパスな男の行動

Summary

 

ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

 

良い香りで悪夢を見なくなるかも?
まずはドレスデン工科大学の研究(R)で、PTSDに苦しむ40人の男女を2つのグループに分けております。

 

  1. 良い香りを嗅ぎながら寝る
  2. 普通の部屋で寝る

 

実験で使われた「良い香り」の種類は、

 

  1. バラ
  2. ラベンダー
  3. オレンジ
  4. ピーチ

 

の4種類で、この中から好きなものを選んでもらったそうな。そのまま、5日間の経過をみたところ、

 

  • 良い香りを嗅いだグループは悪夢を見にくくなった!
  • 良い香りには何の副作用もなかった!

 

アロマで睡眠の質が上がるって可能性は以前から指摘されてましたけど、悪夢を見づらくする作用もあるのかもっすね。

 

 

研究チームいわく、

 

嗅覚は、感情のコントロールに大きな役割を果たしている。進化的に見れば、感情を司る脳のエリアは、嗅覚のコントロールシステムから分岐したと思われるからだ。

 

とのこと。もともと感情と嗅覚には大きなつながりがあるんで、良い香りでコントロールが可能になるのだ、と。アロマが不安に効く!みたいなデータが多いのも、このメカニズムが働いているのかもですなぁ。

 

 

“あれ”を食べ過ぎるとアルツハイマーになる?

次はバース大学の研究(R)で、アルツハイマーになりやすい人は何が違うのか?を調べたものです。具体的には、

 

  1. アルツハイマーな人の脳サンプルをとる
  2. 健常な人の脳サンプルと比べる

 

みたいな手法になってまして、そこで何がわかったのかというと、

 

アルツハイマーの初期段階にいる患者たちは、糖によってMIFという酵素が変容していた。

 

おそらく、糖がMIFの機能を阻害し、アルツハイマーの悪化をうながすのだろう。

 

だったんですな。MIFって酵素は脳内に異常なタンパク質がたまっちゃうのを防いでくれるんですけど、その働きを糖がジャマするんだ、と。

 

過度の糖が糖尿病と肥満に良くないのは有名な事実だ。しかし、過度な糖はアルツハイマーのリスクとも結びついており、これは我々が糖を控えるためのもうひとつの理由になり得る。

 

とのことで、脳の働きを正常に保つためにも糖はひかえたほうがいいよー、というお話でした。

 

 

 

“あれ”で女性を口説く男はサイコパス?

 

最後はオークランド大学の論文(R)で、225人の男性を集めて「サイコパスな人の特徴は?」ってとこを調べたものです。どういう実験かと言いますと、

 

  1. 全員に性格テストをして、それぞれのサイコパスレベルをチェック
  2. 参加者が「いつもどのように女性を口説いているか?」を尋ねる
  3. 各自の口説き方とサイコパス度を比べる

 

のようになってまして、その結果は、

 

  • 異性を口説く時に『自慢』を使う人はサイコパス気質が高い!

 

 

だったんだそうな。どうにもサイコパスってのは、女性を口説きたいときに相手をほめるわけでもなく、自慢話に終始しちゃいがちみたいっすね。

 

 

このような状態になっちゃう理由は簡単で、サイコパスは相手への共感が苦手だからです。そのせいで女性と深い話ができず、結果的に「俺はこんなに仕事ができるんだよ!」とか「金があるよ!」とか「いい大学を出てるよ!」みたいにわかりやすいポイントを強調して得点を稼ぐしかなくなるらしい。

 

 

まぁ普通の会話でも自慢ばっかしてくる男性は多いんで、そんな人を見かけたら「サイコパス気味なのかも?」とか疑ってみるといいかもっすね。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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