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腸による脳の支配っぷりがハンパない件

Brain

腸で作られた神経伝達物質は幸福感に影響する?  

腸内で作られるセロトニンに関するご質問をいただきました。

 

鈴木さんはよく「腸が悪くなるとメンタルも悪くなる」といったお話をされてますよね。しかし、別のサイトで「腸で作られるセロトニンは幸福には影響しない。腸の伝達物質が幸福に関係するというのは疑似科学」という話をみかけました。これが正しいなら、腸はメンタルに影響しないことにならないでしょうか?

 

とのこと。腸で作られた神経伝達物質は幸福感に影響があるのかって疑問ですね。

 

 

確かに、一部のネットニュースなんかでは、

 

  1. セロトニンの90%は腸で作られる(1)
  2. セロトニンは人間の幸福に大事なホルモンである
  3. つまり、腸をいたわれば幸福に!

 

って話をチラホラ見かけるようになった気がします(2)。腸内細菌がセロトニンのような神経伝達物質を作ってくれて、こいつが脳に作用するんだ、と。

 

 

が、そのいっぽうで「疑似科学だ!」派も結構いまして、

 

  1. 腸内でセロトニンが作られるのは間違いない
  2. しかし、腸のセロトニンは脳の血液脳関門を通らない
  3. ゆえに腸内セロトニンと幸福は関係が無い!

 

みたいな考え方になっております。なかなかややこしいですねー。

 



 

 

確かに腸内のセロトニンは脳に届かないが…

で、第一のポイントとしては、腸で作られたセロトニンが脳に届かないって話は正しいです。脳には異物を通さないバリアがありまして、関所でブロックされちゃうんですね。これは昔から教科書にも載ってる話。

 

 

そう考えると疑似科学派のほうが正しそうにも思えますが、実はそんな単純な話でもなかったりします。 というのも、腸内環境の悪化とメンタルが連動してるってデータは山ほどあるので、2010年代に入ってから「やっぱ腸内のセロトニンって脳に影響してんじゃない?」って研究が進んできたんですよ。

 

 

腸と幸福をつなぐ3つの経路

その代表例はUCLAのエレン・シアオ博士(3)で、いまんとこ「腸と幸福」をつなぐ経路が3つほど見つかっております。

 

1.セロトニンが腸から脳神経をアタック!

腸には迷走神経っていう神経が出てまして、これが脳につながっているのは有名な話。

 

 

2015年の研究(4)によれば、どうも腸内で作られたセロトニンが迷走神経に刺激をあたえて、これが脳の視床下部に命令を出してるみたいなんですよ。視床下部は、メンタルを左右するホルモンの分泌に関わるエリアであります(オキシトシンとかエンドルフィンとか)

 

 

 つまり、腸内セロトニンは血管を通って脳に行くんじゃなくて、脳神経に直にアタックしてるわけですね。そりゃあ、いちいち血管を通すより神経を使ったほうが効率がいいですもんね。

 

 

2.腸内細菌が脳にセロトニンを出すように指示!

もうひとつが、腸内細菌が脳にセロトニンを出すように命令する経路。ざっくり説明すると、

 

  1. 腸内細菌が食物繊維を発酵させる
  2. 脂肪酸ができあがる(酪酸とかチラミンとか)
  3. 脂肪酸が血管を通って脳に作用
  4. セロトニンが増える!

 

みたいな流れです(6)。酪酸といえばレジスタントスターチのエントリで「食欲を減らす働きがある」として取り上げましたけども、どうやら正常な脳の働きにも一役買ってるっぽいんですよ。いやー、すごい。

 

 

3.腸内細菌が免疫システムに指示!

最後は、腸内細菌が免疫システムに指示を出し、それが脳まで行く経路。セロトニンとは関係ないですが、いちおう紹介しときます。

 

 

こちらも、ざっくりと流れを説明すると、

 

  1. 腸内細菌が免疫細胞にサイトカインを出すように指示
  2. サイトカインが血管を通って脳に到着
  3. ミクログリア(脳の免疫系)が変化!

 

みたいな感じです(5)。ミクログリアは脳の神経とかに異常がないか見張る監視システムで、当然ながらメンタルヘルスには必須。かなりのとこまで腸内細菌が牛耳ってますな。

 

 

まとめ

いろいろ書いてきましたが、要するに、

 

  • 腸内のセロトニンで幸福に!って話はトンデモではない
  • 腸内細菌の支配力ハンパない

 

 ってことですね。というわけで、皆さまも適正な量の腸管セロトニンレベルを目指していただければと思います。

  


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41才のプロパレオダイエッター/編集者/ライター/NASM®公認パーソナルトレーナー。国内外の学術論文を読み漁るのが好きな人。パレオダイエットの本を書きました(http://amzn.to/2ogEBmC)。