脳の燃費をアップさせるにはホウレン草がいいんじゃないの?説
カロテノイドで脳の機能があがった?
「ルテインやゼアスタキサンチンで脳の機能がアップ!」みたいな論文(1)が出ておりました。
ルテインとゼアスタキサンチンは野菜に多く入ってるカロテノイドで、わりと昔から「目と脳の健康に役立つんじゃないの?」って言われてきたんですね。今回の実験では、そのへんを改めて確かめてみたわけですな。
これはジョージア大学の実験で、65〜86才の男女43人を対象にしたもの。どんな実験かというと、
- 参加者の体内のルテインとゼアスタキサンチンの量をチェック
- 全員に単語を記憶するテストを行う
- 単語テストをしている参加者の脳をfMRIでスキャン
みたいな感じです。ルテインとゼアスタキサンチンを多く摂ってる人は、脳がどんな活動をしているのかを調べたわけですね。
カロテノイドが多いと脳がスムーズに動く
それで何がわかったかというと、
- ルテインとゼアスタキサンチンが多い人ほど脳の活動量が低い!
って傾向が見つかったんですな。「脳の活動量が低い」というと悪いことのようですが、これは「同じ作業をこなすのに必要な脳のパワーが少なくて済んだ」って意味でもあります。脳の燃費がよくなったと言いますか。
カロテノイドが脳の働きをサポート
研究者いわく、
年を取ると、人間は脳の神経が衰えていく。しかし、この劣化を補うべく、私たちの脳は働き方を変える。認知のパフォーマンスを同じレベルに保つために、より多くのパワーを使おうと頑張り出すのだ。
この作用により、表面上はみんな同じように頭が働いているように見えるが、実際に脳のなかを覗いてみれば、カロテノイドのレベルによって大きな違いが起きているのだ。
とのこと。つまり、ルテインやゼアスタキサンチンは脳の機能を底上げするんじゃなくて、頭がスムーズに動くためのサポートをしてくれるんじゃないか、と。
ただ、個人的には、このデータだけで「ルテインとゼアスタキサンチンのサプリを買おう!」とはオススメしづらいところ。なんせ2015年に出た論文(2)では、4,000人にオメガ3+ルテイン+ゼアスタキサンチンを飲み続けてもらったところ、4年後もとくに認知の改善はみられなかったなんて報告が出てますからねぇ。
普段からカロテノイドを切らさないのが大事
そんなわけで、この研究の教訓としては、
- 頭がちゃんと働くために、とにかく普段からカロテノイドを切らさないようにしておこう!
ってことでしょうね。どちらの成分も、普通にパレオダイエットをやってれば間に合うはずなんで、特にサプリは必要ないはず。いまいち不安な方は、
- ホウレン草
- ニンジン
- トマト
- サツマイモ
- ベリー類
- アボカド
- 卵の黄身
- スピルリナ
- サフロラン
- パプリカ
といった食材を増やすように意識していただければと思います。とくにホウレン草はカロリーの質も高いので、毎日ガンガン食べていきたいところ。