で、マインドフルネスで頭はよくなるの?
マインドフルネスで頭は良くなるの?
以前に「現在におけるマインドフルネス瞑想の正味な実力とは?」なんて話を書きまして、そこでの結論ってのが、
- いまんとこマインドフルネスは不安と鬱にはそこそこ効果がある
- ただし、頭が良くなったり集中力がつくかどうかはよくわからん
みたいな感じでした。なにせ実験デザインが悪いデータが多いんで、まだまだハッキリ言えることが少ないんですよね。
ってところで、新しく「マインドフルネスで頭はよくなる?」って問題を調べた系統的レビュー(1)が出ましたんで、ご紹介しましょう。
マインドフルネストレーニングと脳機能の関係を調べた
これはモナシュ大学の研究で、過去に出たMBSRとMBCTに関するデータをまとめたもの。MBSRはカバットジン先生の「マインドフルネスストレス低減法」で、MBCTは「マインドフルネス認知療法」のことであります。
どちらも、だいたい8〜12週間の瞑想と認知療法をくり返して、ストレスやバイアスのコントロール法を学んでいく感じ。現在のマインドフルネス系療法の定番ですね。
ピックアップされた実験は18件で、そのうち11件は健康な成人が対象。ただし、内容的にひとまとめにできないデータが多いんで、メタ分析は行われておりません。つまり、それぞれの実験の有意差をレビューしだけなんで、信頼性はやや低め。
メタ認知やワーキングメモリには効くかも
で、ざっくりと結論を並べていくと、
- マインドフルネスで注意力は上がらなそう
- 実行機能も上がらないっぽい
実行機能ってのは、ちゃんと目標と計画を立ててやり遂げられる能力のことで、脳の超大事なシステムのひとつです。とりあえず、現時点ではマインドフルネスで目立った改善はしないみたい。うーん、残念。
いっぽうで改善の可能性があるのは、
- メタ認知
- 認知の柔軟性
- ワーキングメモリ
といったところ。このへんは8週間のマインドフルネストレーニングでアップするかも…ぐらいの印象であります。
まとめ
そんなわけで、全体的にモニョモニョした結論になってますけど、今のマインドフルネス研究のレベルではこれぐらいしか言えないのが現状であります。
私は不安対策のために今後もマインドフルネスは続けるつもりですが、知能の改善効果については、オマケ程度に考えといたほうがよさげですねぇ。