ネガティブな思考を押さえつけるのはムダ!では、その代わりにどうすればいいの?という話
このブログを長らくお読みの方であれば、「ネガティブな思考を押さえつけるのはムダだ!」ってのはご存じでしょう。自分の思考を抑圧しようと試みると、逆にその思考に意識が向かって倍増しちゃうんですよね。
ネガティブな思考に悩みがちな人(私もそうですが)にはツラい問題ですが、新しい研究(R)は「ネガティブな思考はこうすればいいよー」って対策を示してくれてて役立ちました。
これは67人の男女を対象にした実験で、研究チームは、まず参加者に次のように指示しました。
- リンゴとかセロリを想像してみて、そのあとでリンゴとセロリを想像しないように頑張ってみて!
すると、ほとんどの参加者は「うまくイメージを抑圧できたぞ!」と感じたらしいんですが、ここで研究チーム、続けて「無意識の状態はどうなってるの?」ってところをいろんなテストでチェックしたんですよ。口では「うまくいった」と思ってるけど、無意識の世界では違うんじゃないの?って問題ですね。
テストの一例をあげると、
- 参加者に赤や緑の色を見せて、リアクションの時間をみる!
みたいなやり方を採用してます。たとえばリンゴを抑圧したグループには赤色を見せて、なにも思考を押さえつけてない状態との違いをみるわけっすね。
その結果について研究チームいわく、
ほとんどの参加者は「自分は思考を抑圧できた」と感じていたが、実際のテストでは思考の痕跡がいくつも観測された。本人は気づいていなくとも、思考は依然としてそこにあるのだ。
ってことで、本人はうまくできたと思った場合でも、脳に刻み込まれた思考は無意識のうちに人間の反応を左右し続けるんだ、と。野菜や果物といった無害なイメージでも頭に残るんだから、ネガティブな思考のようにインパクトが強いものなら、さらにその影響は大きくなりそうであります。
ではどうすればいいの?ってところが気になりましょうが、研究チームは先行データをふまえたうえで、以下のように申しておられます。
思考の抑圧には効果がない。つまり、タバコやアルコールなどの有害なものを考えまいとしても、ほとんど役には立たないということだ。いくら抑圧しても脳には思考が残り続け、奥底から影響を与えるからだ。
その代わりに使えるテクニックは「思考の代替」と呼ばれるものだ。
「思考の代替」というとなんだか難しそうですけど、簡単に言えば「気がそれるようなことを考えよう!」って話です。タバコやアルコールのことが頭に浮かんで離れないなら、無理やり考えないようにする代わりに、
- 好きな漫画を読む
- ゲームで遊ぶ
- 激しい運動をする
みたいに一時的に不愉快なことを忘れられることをしたほうがいいよーってことです。言われてみりゃ「そりゃそうでしょ」って気もしますけど、いざネガティブな思考がわき上がると、頭がパニくって正しい戦略を使えなくなりがちですからねぇ。
そんなわけで、今回のデータをうまく活かす方法としては、
- 自分が短時間だけのめり込むような活動をピックアップしておく(一時的に気がそれればなんでもいい)
- 「ネガティブな思考が浮かんだら○○(好きな活動)をやる」といったように、イフゼンプランニングの形に落とし込んでおく
って感じで事前に用意しておくといいのではないかと思われます。