お金の不安は「体の痛み」を激増させちゃうぞ!という研究
https://yuchrszk.blogspot.com/2019/05/blog-post_14.html
金銭的なストレスは心にも体にも良くない!って話は昔から多くて、お金の心配は見た目を老けさせる!ってデータがあったり、お金に困るとIQが下がる!なんて報告も出てたりで、どうも経済的な不安の影響ってのはかなり大きいみたいなんすよね。
で、バージニア大学から出た研究(R)は、さらに「お金に困ると体が痛む!」って結論になっててちょっと怖いことになってました。
これは33,720世帯の消費パターンを分析した調査で、各家庭の雇用状況と、それぞれの世帯がどれだけ鎮痛剤を使っているかを比べたんですよ。すると、家族の誰も就職していない家庭は、誰かひとりが働いてる家庭にくらべて鎮痛剤の消費量が20%ほど多かったんだそうな。つまり、お金に不安を感じている人は痛みを感じやすいのでは?って傾向が確認されたわけっすね。
では、実際にどれぐらいお金に不安は痛みを引き起こすのか?ってことで、今度はラボ実験もやってます。ざっくりどんな実験だったかと言いますと、
- 参加者に「お金にこまった時のことを思い出してください」または「これからお金に困りそうな状況を想像してください」と伝える
- 「いまどれぐらい体に痛みを感じてますか?」と尋ねる
みたいな感じです。その結果は予想どおりで、お金の不安が高まった参加者ほど「なんか体が痛いです……」と答えたんだそうな。やはりお金の心配は体の痛みを誘発するんだ、と。
さらにもうひとつの実験は、こんな感じです。
- 参加者の半分に「君たちは成績がいいから将来も問題なく就職できる」と伝える
- 残りの半分には「現代では学位なんか持っていても価値はないから就職は難しい」と伝える
- すべての参加者へ氷水に手をつけるように指示し、痛みへの強さを確認する
こちらもやはり結果は同じで、「就職できない!」と言われた学生は25%ほど痛みに弱くなってたんだそうな。お金の不安は痛みの耐性も変えちゃうんですねぇ。
なんでお金に不安で痛みが起きるかはよくわかってないんですけど、おそらくは「自己コントロール感」が関わってるんだろうなぁと言われてます。人類が幸福に暮らすにはコントロール感が大事だよーって話は何度も書いてるとおりで、「人生のトラブルや自分の感情を操作できているぞ!」って感覚を持てないと、ヒトの体はパニックを起こしてしまい外部の刺激に弱くなるみたいなんですな。
また、今回の実験のポイントとしては、
- 普通に裕福な学生でも「お金の不安」を感じると痛みが起きる!
ってのも大きいでしょう。実際にどれぐらいお金を持っているかどうかよりも、自分が「これから貧しくなるかも…」と思うだけでも痛みへの耐性は下がっちゃうってことですね。
まぁ逆にとらえれば、実際には貧しい暮らしをしていたとしても、主観的に「まぁどうにか暮らせるだろう」とさえ思えればいいとも言えますんで、「自分が普通に暮らせる最低の生活費」(いわゆるミニマムライフコスト)を紙に書き出すような作業は痛みの対策にも有効かもしれませんな。