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マインドフルネスって"あれ"と組み合わせたほうが効果が高まるんじゃないの?という実験の話

 

マインドフルネスどこまで意味あるの?」ってのは昔から言われてて、「そんなに大きなメリットはないでしょー」って話がある一方で「生活習慣病にもいいかもよ」といった話もありまして、なかなか混迷してる状況なんですよね。

 

 

それもそのはずでマインドフルネスってのはまだ研究の歴史が浅い分野なんで、

 

  • どうしてもまだまだ実験の質が低い
  • プラシーボの可能性をより分けるのが超ムズい

 

みたいな問題が山積みなんですよね。いまのとこストレス解消には効くかなーと思ってますけど、まだまだ余談を許さない状況ではあります(私はマインドフルネス瞑想を続けてますが)。

 

 

ってところで新しい研究(R)は、「マインドフルネスを効かせるためには”あれ”が欠かせないのだ!」みたいな内容になってておもしろかったです。

 

これはカーネギーメロン大学などのチームが手がけた実験で、ストレスに悩む137人の男女を対象にしたもの。実験では、全体を3つのグループに分けてます。

 

  1. マインドフルネスストレス低減法を実践してもらう
  2. マインドフルネスストレス低減法を実践してもらうが、アクセプタンスの指導はしない
  3. なんもしない(コントロール群)

 

マインドフルネスストレス低減法ってのは、マインドフルネス系のメンタル改善法としてはもっとも有名なもので、

 

  • 自分の感情を判断しない態度を学ぶ

 

といったあたりに重点を置いた内容になってます。よりくわしくはジョン・カバットジンさんの「マインドフルネスストレス低減法」をお読みください。

 

 

つまりこの研究チームがなにを考えたのかと言いますと、

 

  • マインドフルネスってアクセプタンス抜きでは意味がないんじゃないの?

 

ってことですね。「アクセプタンス」も当ブログでは頻出ワードでして、ざっくり言えば「自分に対して友人と接するように優しくしよう」みたいな考え方のことです。アクセプタンスについてさらにくわしいところを知りたい方は、ラス・ハリス「幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない」が有用かと思います。

 

 

でもって、実験の期間中にはくり返し全員のストレスレベルを計測したところ、以下の結果になりました。

 

  • 思った通り、アクセプタンス抜きのマインドフルネス介入は、アクセプタンスの技法を取り入れた介入にくらべてストレスの減りが少なかった(ただしアクセプタンス抜きでもそこそこの効果は出ている)

 

というわけで、「マインドフルネスはアクセプタンスの要素を組み込まないと効果が薄れるのでは?」と思わせる内容になっておりました。

 

 

研究チームいわく、

 

今回の結果は、アクセプタンスレベルが高いと自己判断した者ほど精神的なストレスが低く、心理的な健康状態も改善するという先行研究と呼応している。

 

ということで、「自己の不安を受け入れよ!」って考え方は正しいのかもですな。

 

 

まぁとはいえマインドフルネスって質的なチェックが難しいんで、この結果がどんだけ追試で確認されるかは謎。個人的には、先行研究などもふくめて「アクセプタンスは大事だろうなー」と考える立場なので、今後も心がけていく所存ではありますが。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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