締め切りがツラすぎる?それなら普通に伸ばせばいいじゃない!みたいな実験の話
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「締め切りは善か悪か?」みたいな議論は昔からありますが、まぁ現時点では「デッドラインには集中力を上げる効果があるけど、あんまギチギチだと創造性は失われるよねー」ぐらいが落とし所になってるんじゃないでしょうか。締め切りは使いようってことですな。
で、近ごろチェックしたのも「締め切り」にまつわるお話(R)でして、まず結論から言っちゃいますと、
- 締め切りがツラかったら、普通に「伸ばしたい」って上に言ったほうがええで!
みたいな感じです。あまりにも高負荷な締め切りにこだわると仕事のクオリティが下がるだけなんで、いっそ上司に「伸ばしてくれ!」と言うべきなんだ、みたいな話っすね。
なんだか当たり前のようですが、実際に調査をしてみると「みんな驚くほど締め切り伸ばしを怖がっている!」って傾向が出てまして、ここらへんがこの調査の肝になっております。現実的にはデッドラインを変えた方が合理的な場面でも、みんな実際には締め切りを伸ばそうとはしないんだってことですね
これはハーバード・ビジネス・スクールの調査でして、7241人の男女に10回の実験を行ったもの。ざっくりと全体的な実験デザインを見てみると、
- イベント計画や書類作成などのタスクを与え、同時に締め切りも伝える(もちろん締め切りを伸ばすチャンスも与える)
- タスク後にインタビューを行い、デッドラインの延長についてどう感じたかを尋ねる
- ついでに上司役の参加者にも「締め切りを伸ばすことについてどう感じましたか?」と尋ねる
みたいな感じです。その結果がどうだったかと言いますと、
- たいていの人は「仕事の締め切りを伸ばしたら、無能でやる気がない人間だと思われる!」と感じていた
- そのせいで、本当はデッドラインを伸ばした方が良いと思っていても、実際に延長を申し出たのは1割だけだった
- ところが一方で、ほとんどの管理職は、締め切りの延長を申し出てきた従業員に好印象を抱く傾向があった(延長を申し出ない従業員よりも「モチベーションが高い」と判断する傾向もあった)
- そのため、ほとんどの管理職は普通に延長を認める傾向があった
だったそうで、どうも上司と従業員のあいだにはかなり認識の相違があるみたい。まぁ出版業界だとそう簡単に締め切りを伸ばすわけにもいかんですが、こういった認識のズレはどの世界にも置きがちな気がしますな。
研究チームいわく、
従業員はもっとデッドラインの延長を要求し、作業の時間を増やしたほうがいい。そうすれば仕事のストレスも減るし、最終的な仕上がりも向上するかもしれない。
従業員は、上の人間から無能ややる気がないなどと思われることを恐れずに、必要に応じてデッドラインを伸ばすようにすべきだ。そのため、管理職についている人たちは、「締め切りをを伸ばしたからといって、従業員が能力がないことを意味するわけではない」と言うポイントと、「デッドラインを延長することで全体的なメリットが大きくなる可能性が高いこと」の2つを従業員にはっきりと伝える必要がある。
とのこと。確かにここらへんは意外と見過ごされがちなポイントかもっすねー。