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今週半ばの小ネタ:アナログゲームで脳機能改善、サイコパスの好きな相手、あの曲が耳について離れない!を解決する方法

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ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。   

 

 

 

アナログゲームで頭が良くなるかも?という話

「アナログゲームで頭が良くなるかも?」って調査(R)が出ておりました。エジンバラ大学などの調査で、1936年に生まれスコットランド人1,091名を集めたうえで、

 

  1. 11歳の時点で一般認知機能をテスト
  2. 70歳と76歳の時点で「普段からどれぐらいゲームで遊んでいるか?」をチェック
  3. 70代に入ってから4回ほど再び認知機能をテスト

 

って感じで若い頃と歳を取ってからの頭の良さをくらべたんだそうな。ここでいう「ゲーム」ってのはアナログに限定されていて、カードゲーム、チェス、ビンゴゲーム、クロスワードなどを扱っております。

 

 

その際に、教育レベル、裕福さ、性別、運動量、健康問題などを組み込んでコントロールしたところ、

 

  • ゲームで遊ぶ回数が多いほど70歳の時点で認知機能が高く、この相関は教育レベルや運動量などとは関係がなかった
  • ゲームをする人ほど70歳〜79歳に全般的な認知力が低下しづらく、特に記憶能力の低下がより少なかった

 

だったそうで、アナログゲームが認知機能の維持に役立つかもしれないんだ、と。

 

 

ちなみに、この研究だと「ゲームが認知の維持に役立つ理由」はわかっていなくて、

 

  • ゲームで頭を使うから頭が健康になるのか?
  • アナログゲームは友人と交流するから?

 

ってあたりは謎のままであります。具体的な原因については今後の研究待ちってとこですが、普段からアナログゲームに取り組んでいくのはアリでしょうな。

 

 

 

サイコパスはサイコパスを好む?

サイコパスはサイコパスを好きになるのだ!みたいな研究(R)が出ておりました。これはエモリー大学の調査でして、

 

  1. 696人の男女に性格テストを行なって全員のサイコパス度をチェック
  2. 各自に「自分にとって理想のパートナーを想像してください」と指示
  3. その理想のパートナーの性格特性を調べて、同じようにサイコパス度をチェック

 

みたいになってます。サイコパス傾向を持っている人たちは、どのようなパートナーを理想の相手に選ぶのか?ってのを調べたわけですね。

 

 

すると調査の結果は、

 

  • サイコパスレベルが低い人は、サイコパス傾向を持つ人を嫌がる
  • サイコパスレベルが高い人は、サイコパスの「表向きの好印象」「共感力のなさ」「自己本位な性格」などを好んだ

 

だったそうです。昔から「類は友を呼ぶ」などと申しますが、サイコパスもサイコパスを好む傾向があるんじゃないかと。サイコパスでも自分に似た人を好きになるんですねぇ。

 

 

まぁこれはあくまで「理想の相手」を想像させただけなんで実際にサイコとサイコが惹かれ合うのかは不明ではあります。また、過去のデータとかだと「自尊心が低い人は、サイコパスの表面的な優しさに惹かれがち」みたいな話も出てるんで、ここらへんは一概には言えないとこっすね。とりあえず参考までに。

 

 

 

あの曲が耳について離れない!を解決する方法

「あの曲が耳について離れない!を解決する方法」みたいな調査(R)が出ておりました。CMソングやらヒット曲のサビが脳内で何度も鳴り続ける「イヤーワーム現象」を止めるにはどうすりゃいいの?ってことですね。

 

 

これは西ワシントン大学の研究で、まずは229人の男女から「近ごろ頭を離れなくなった曲は?」と尋ねて、特に脳内をグルグルする確率が高かった18曲をセレクト。これを16人の男女に聞かせまくって人為的にイヤーワームを発生させたんだそうな。

 

続いて、みんなに数独やアナグラムみたいなパズルを解かせたりしたところ、

 

  • イヤーワームを止めるにはアナグラムがベスト!

 

だったそうです。「astronomers」を「 No more stars.」みたいな別の言葉に変換する作業をすると、イヤーワームが最も止まりやすかったらしい。

 

 

その理由は簡単で、適度なレベルのパズルのおかげで脳の処理パワーが問題解決の方に向かい、イヤーワームにまで使うリソースがなくなるからです。その昔、「テトリスでダイエットができる」みたいな話を紹介したことがありまして、これと理屈は同じですな(テトリスに脳のリソースが向かうので食欲から気がまぎれる)。

 

 

つまり、適度に脳を働かすことができればなんでもいいので、おもしろい小説とかゲームでも十分役に立ちそうっすね。こんな感じで、「なにかに脳をジャックされそうになったら、適度に脳を使うもので気を紛らわせる!」って考え方は心の隅に置いておくと便利かもですねー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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