今週末の小ネタ:2時間の睡眠不足と幸福、アレルギーを減らす食べ物?、悪態をつくと体の痛みが減る?
ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。
たった2時間の睡眠不足でポジティブが減る
「ほんの2時間の睡眠不足が喜びの感情を奪う!」みたいなデータ(R)がおもしろかったんでメモ。
これは52人を対象にした研究で、
- みんなの平均時間を測り、そこから2時間ほど短い睡眠時間で寝てもらう
- その後で参加者の感情をチェックする
みたいな内容になってます。強制的に軽い睡眠不足を起こさせて、どのような感情の変化が起きたのかをみたわけですね。睡眠不足が記憶や注意力に影響するのは有名ですけど、果たして感情にはどんな違いをもたらすのか?という。
そこでどんな変化が認められたかと言いますと、
ネガティブな感情に明確な違いは見つからなかったが、ポジティブな感情には顕著な違いが認められた。ポジティブな感情のスコアは、たった一晩睡眠を減らしただけで悪化し、三晩が過ぎた後にはさらに低下した。
だったそうです。2時間の睡眠不足でネガティブになることはなかったけど、喜びや充実感などの感情は感じられなくなるんじゃないか、と。確かに、睡眠が足りてないと頭がボーッとしてポジティブにはなれませんな。
研究チームいわく、
現代人が、いつもより遅い時間に眠ってしまうのは珍しい現象ではない。「このシリーズを見終えてから眠ろう」と思えば簡単に寝不足になってしまう。
もちろん睡眠時間そのものも重要だが、いつ寝るかもとても大事なファクターだ。不規則な睡眠パターンは、たんに睡眠時間が少なすぎる場合よりも、よりダメージを与える可能性がある。毎日の就寝と起床は同じ時間にするのがオススメだ。
もちろん、睡眠には個人差があるが、起きた時に機嫌が良くて元気があれば、その睡眠習慣はあなたに適していると言って良いだろう。
とのことで、とにかく決まった睡眠パターンを守ろうぜ!というお話でした。
子供のアレルギーを減らす食べ物とは?
「子供のアレルギーを減らす食べ物とは?」みたいなデータ(R)が出ておりました。私もながらく鼻炎に苦しんでいる身なので、ちょっと気になるところです。
これはコロンビアに住む6〜7歳の子ども3,209人を対象にした調査で、
- 研究チームが選んだ12種類のグループを食べている回数
- 湿疹、喘鳴、鼻炎の症状が出る度合い
ってのを調べて両者の相関をみたんだそうな。すると、
- 新鮮な果物または豆類を週に3回以上食べると湿疹が軽い傾向がある(調整オッズ比は果物が0.64、豆が0.62)
- ジャガイモを食べる子供は呼吸音の異常が少なかった(調整オッズ比0.445)
- ファストフードを食べる子供は呼吸音の異常が多かった(調整オッズ比1.76)
だったそうな。まぁこれだけだと果物と豆でアレルギー症状が減るとは限らないし、ファストフードが悪いと証明されたわけでもないんですけど、とりあえず食事によって症状が大きく変わる可能性はデカいので、注意しといたほうがいいんじゃないかと。
悪態をつくと体の痛みが減るぞ!という話
「悪態で痛みが減る!」ってなおもしろい論文(R)が出ておりました。
こちらは92人の男女を対象にしたもので、まずはみんなに「氷のなかに手を突っ込んでガマンしてください」と指示。そのうえで、
- ガチの悪態をつきまくる(「ファック!」とか)
- チームが作った謎の悪態をつきまくる(「ツイズパイプ!」とか)
といった感じにわけて、痛みに耐えてもらったんだそうな。すると、
- ガチの悪態をつきまった場合は、痛みが3分の1に減り、痛みへの耐性も3分の1ぐらい上がった!
- チームが作った悪態を叫んでも痛みのレベルは変わらなかった
みたいな違いが見られたらしい。私もドアの角に足の指をぶつけて「クソッ!」とか叫んだことがありましたけど、あれは痛み止めとして正しかったってことですかね。昔から「身体の痛みとメンタルの痛みは同じように脳で処理されている」って話はありましたけど、この研究をみるとやっぱそうなんだろうなーって気がしますね。