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今週半ばの小ネタ:IBSをマインドフルネスが改善?、買い物依存になりやすい人、頭の中にイメージを浮かべられない人

Summary


ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。   

  

 

 

なんだかお腹の調子が悪くて……をマインドフルネスが改善するかも?

なぜかお腹の調子が悪くなり、日々の暮らしに大きな悪影響をおよぼすのが「IBS」。なかなか治療が難しい症状で、このブログでもいくつかの知見を取り上げたりしております。

 

 

で、新しいデータ(R)もIBSの話で、「マインドフルネスが効くかもだ!」みたいな結論になってました。

 

 

これはIBSに悩む68人を対象にしたテストで、みんなに8週間のマインドフルネス・トレーニングを行なったんだそうな。具体的な内容はジョン・カバットジン先生の「マインドフルネスストレス低減法」にかなり近いものになってて、瞑想をしたり感情を客観視する方法を学んだりとか、そんな感じっすね。

 

 

さて、それから3ヶ月後のフォローアップで何がわかったかと言いますと、

 

  • 71%がトレーニング後にIBSの症状が改善し、胃腸症状に対する不安も少なくなっていた
  • IBSの症状改善にもっとも役立ったのは、現在の瞬間にとどまるスキルだった

 

ということで、なかなかの改善が見られたらしい。

 

 

研究チームいわく、

 

今回の研究は、マインドフルネスを使ったストレス解消のトレーニングにより、薬や食事の変更なしでIBSの人々の症状と生活の質を大幅に改善する可能性を示した。

 

さらに、この研究では、マインドフルネスにおける「意識して行動する」という側面が重要であることも示唆された。

 

ってことでして、マインドフルネスの「現在に気づきながら行動する」って考え方が、IBSに悩む人たちの不安を防いでくれるかもしんないらしい。まぁマインドフルのメリットについてはまだ未知な側面が大きいんですけど、とりあえず副作用もなさそうですし、IBSにお悩みなら取り組んでみるのもありでしょうね。

 

 

 

買い物依存になりやすい性格、なりにくい性格

買い物依存症になる性格はこれだ!」みたいなデータ(R)がおもしろかったんでメモ。

 

 

これは23,537人を対象にした研究で、まずは全員のビッグファイブをチェックしたあと、さらに自尊心や買い物依存症のレベルも調査。その上ですべてのデータを比べたところ、

 

 

今回の研究は、外向性と神経症のスコアが高い人ほど、買い物依存症を発症するリスクが高いことを示している。

 

外向性が高い人は、基本的に社交的で刺激的な体験を求める傾向があるため、自分の個性を表現したり、社会的な地位や個人的な魅力を高めるためにモノを買っている可能性が強い。

 

一方で神経症傾向が高い人は、基本的に不安、抑うつ、自意識過剰の傾向があるため、ネガティブな感情を軽くするために買い物をしている可能性が強い。

 

って結果が見られたんだそうな。めちゃくちゃ社交的か不安になりやすい人のいずれかが、過剰な買い物にハマりやすいんだ、と。

 

 

ここでいう「過剰な買い物」がどんな状態かというと、こんな感じです。

 

  1. いつも買い物のことを考えている。
  2. 気分を変えるために買い物をする。
  3. 毎日の義務(学校や仕事など)に悪影響を及ぼすほど買い物をする。
  4. これまでと同じ満足感を得るためには、もっと買い物をしなければならないと感じている。
  5. 買い物を減らすことにしたが、どうしてもできない。
  6. 何らかの理由で買い物ができなくなると嫌な気分になる。
  7. 買い物をしすぎて、幸福感が損なわれている。

 

以上の特徴のうち少なくとも4つに当てはまると「買い物依存症」と判断されますんでご注意ください。
 

 

 

さらにチームいわく、

 

買い物依存症は、特定の人たちのあいだで発生しやすい。

 

全体的には女性のほうが買い物依存にハマりやすく、また思春期の後半と成人期に初めごろに始まり、年齢とともに減少していくケースが多いようだ。

 

逆に、買い物依存症のリスクが低い人は、協調性と誠実性、開放性が高い。

 

ってことで、他人と仲良くするのが好きで、新しい体験を受け入れるのが得意な人ほど、買い物依存になりにくい見たいっすね。心当たりがある方はお気をつけくださいー。

 

 

 

頭の中にイメージを浮かべられない人が意外といる件

「自分の頭にリンゴが乗ってるところを想像してください」と言われれば、多くの人が簡単にイメージできるかと思いますが、一部にはこれができない人がいたりします。この状態はアファンタジアと呼ばれてまして、脳内に具体的なビジュアルを浮かべられない人が全人口の大体5%ぐらいいるらしいんですよ。結構な数ですね。

 

 

では、アファンタジアの人たちはどんな特徴があるのか?ってことで、そこらへんを調べた珍しい研究(R)が発表されておりました。

 

 

これは267人のアファンタジアと脳内イメージに問題がない400人を比較した調査で、ざっくり結論を並べるとこんな感じです。

 

  • アファンタジアの人たちは、水が流れる音や風の感触などは思い出せるが、それにまつわるイメージを思い出すのが超苦手
  • なので、当然ながら過去を思い出すのも超苦手だし、未来を想像するのも超苦手
  • ついでに、アファンタジアの人たちは、音や動き、香りなどを想像するのも苦手だった

 

ということで、やはり「記憶」にまつわる能力に影響が出ているケースが多いですね。やっぱ記憶力には視覚イメージが大事ですもんねぇ。

 

 

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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