カフェインが苦手な人でも運動のパワーアップ効果は得られるのか?問題
カフェインは運動のパフォーマンスを上げる!ってのはもはや疑いようがない話。コーヒーだろうが錠剤だろうが、カフェインは身体の疲労感や持久力を改善してくれるみたいなんですよね。
が、ここで問題になってくるのが”量"であります。というのも2019年のメタ分析にもあるとおり、多くの研究では体重1kgあたり5〜6mgって大容量を使ってまして、私のようにカフェインの刺激に弱い人間には、いまいち実践しづらかったんですよ(例えば、体重60kgぐらいの人だとコーヒーを3.5杯ぐらい飲む計算になる)。
そんな状況下、新しい研究(R)は「別にそこまで大量のカフェインを飲まなくてもOKじゃない?」って結論になっていて、ちょっといい感じでした。
これは18歳から35歳の活動的な女性19名を対象にしたテストで、みんな1日に100mg/日以上のカフェインを摂取していたそうな。実験では参加者に2つのパターンでサプリを飲んでもらいまして、
- 100mgのカフェインを飲んでから筋力テストをする(だいたい体重1kgあたり1.5〜1.8mgになる計算)
- プラセボとしてビタミンD2のサプリを飲んでから筋力テストをする
みたいになってます。筋力テストはダイナモメーターを使って評価していて、複数の負荷でレッグ・エクステンションをやってもらったらしい。100mgのカフェインであれば、さすがに私のような人間でも問題はなさそうっすね。
テスト回数は4回で、それぞれサプリとレッグ・エクステンションの負荷をランダムで変えて検査をしたところ、結果はこんな感じになりました。
- 100mgのカフェインを飲んだ方が筋力は改善していた(82.6 Nm vs. 92.8 Nm)
- が、筋持久力についてはカフェインとプラセボで有意差がなかった(62.1秒 vs.65.3秒)
って感じだったそうです。低容量のカフェインは、最大の筋力は改善するけど、持久力アップには意味がないかもしれないんだ、と。
ただ、この結果をどこまで信じるかは悩ましいとこで、2019年のメタ分析だと「カフェインが筋力と筋持久力におよぼす影響には大差がない」って結論なんですよね。ここらへんはちょっと謎ですが、
- 実験のデザイン上、筋持久力のほうが検出力が低い気がする(なのでカフェインが筋持久力におよぼす威力を正しく測定できてないかもしれない)
- 実際には、負荷が軽い場合には筋持久力にも改善が見られている(約14.5%ぐらい)
ってあたりを考えると、100mgのカフェインでも筋持久力に効く可能性もありそうには思うわけですが。
ということで個人的な雑感としては、
- 基本的には運動の60分ぐらい前に体重1kgあたり3~6mgのカフェインを取るのがいいのは間違いない
- ただし、私のように大量のカフェインを受け付けない人は、体重1kgあたり1.5mgぐらいからスタートして様子を見るのは十分にあり
といった気がしております。これならコーヒー1杯でも問題ないので、私でもどうにかなりそうな感じ。