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今週末の小ネタ:体内時計は6つに分けられる? エナジードリンクで不安に? 良い自信と悪い自信の違いとは?

Summary

ひとつのエントリにするほどでもないけど、なんとなく興味深い論文を紹介するコーナーです。

  

 

 

人間の体内時計、実は6つに分けられるのでは?説

人間の体内時計を「朝型」と「夜型」に分けるやり方はよくありますが、近年では、

 

  • いや、日中にパフォーマンスが上がる「昼型」もあるだろう!
  • いやいや、実際には人間の睡眠タイプは4つに分けられるのだ!

 

などの説明もありまして、なにかと紛糾しております。まぁ普通に考えれば、虹の色彩と同じように人間の睡眠もグラデーションがあるはずなんで、やりようによってはいくらでも分割はできるんですよね。

 

 

といったところで新たなデータ(R)は、さらに「人間の体内時計は6つに分けられる!」って傾向が確認されてておもしろかったです。

 

 

どんな実験かと言いますと、

 

  1. 2283人の被験者に体内時計タイプの調査を行う

  2. それぞれの眠気レベルを分類し、一定のパターンを見つける

 

みたいになってます。その結果、チームは6つの分類を行ってまして、

 

  1. 朝型:朝に覚醒度が高く、夜に向けて下がるタイプ
  2. 夜型:朝に覚醒度が低く、夜に向けて上がるタイプ
  3. 常時覚醒型:朝昼晩いつも覚醒度が高いタイプ
  4. 昼型:朝に覚醒度が低く、昼に最高潮になり、夜に向けて下がるタイプ
  5. 昼逆覚醒型:朝に覚醒度が高く、昼に最低レベルになり、夜に向けて再び上がるタイプ
  6. 常時逆覚醒型:朝昼晩いつも覚醒度が低いタイプ

 

といった感じで、全体の95%が上記のパターンのいずれかに当てはまったらしい。まー、クロノタイプ研究としてはわりと小規模なんで、この分類がどこまで役に立つかは謎ですけど、普段の自分の覚醒レベルを思い描きつつ「自分はどれに当てはまるかな〜」とか考えてみるのは悪くなさそうっすね。

 

 

 

エナジードリンク、不安とストレスの増加につながる説

いまや「エナジードリンクは良くないよなー」ってのが大方の意見なんですけど、新しく「不安、抑うつ、ストレスの増加にもつながるんじゃね?」って見解(R)が出ておりました。

 

 

これは897人の男女を出生時から追跡した調査で、20歳の時と22歳の時に全員にアンケートを取り、エナジードリンクと気分の関係をチェックしたんだそうな。すると、両者にははっきりした違いが出まして、

 

  • エナジードリンクをよく飲む人ほどストレスも大きい
  • 特に若い男性は、エナジードリンクをよく飲む人ほどうつ病と不安感が増えやすい

 

って傾向が見られたらしい。もちろんこれだと因果関係はわからんのですけど、研究チームは「エナジードリンクの成分が不安、抑うつ、ストレスなどの既存の症状を悪化させる可能性はあるから注意してねー」といっておられます。個人的には、ストレスフルな人がエナジードリンクを飲み、それでさらに不安をこじらせていくのだと思いますが、いずれにせよご注意くださいませー・

 

 

 

良い自信と悪い自信の違いとは?みたいな話

自尊心は大事!と言うものの、「根拠がない自信」が良くないのは間違いないところ。じゃあどうすりゃいいのってことで、新しい研究(R)では「良い自信と悪い自信の違い」をチェックしてくれておりました。

 

 

これはジョージア大学などの研究で、チームはこんなことを言っておられます。

 

「高い自尊心」といっても多くの種類があり、なかには非常に脆弱で、自尊心が低い場合よりも劣っていることもある。

 

自尊心にはいくつかの種類があり、なかには自信のなさより悪いものだってあるんだぞって話ですね。

 

 

具体的には100人の男女を対象にした調査で、

 

  1. みんなの自尊心レベルをチェック(ローゼンバーグの自尊心尺度などを使用)

  2. ついでに心理的な幸福感や人生の満足度もチェック

 

みたいになってます。でもって全てを引っくるめて何がわかったかと言いますと、

 

  • 安定型の自尊心を持つ人は、なんらかのトラブルに直面しても、他の人を非難したり言い訳をせず、全体的に脅威を感じにくい
  • しかし、自尊心には脆弱型も存在しており、なんらかの挑戦や批判を受けたときに防御的になりやすかった

 

って感じです。ここでは自尊心を「安定型」と「防御型」に分けてまして、「防御型」は非常にトラブルに弱いんだ、と。すごーくざっくりした区分けをしてしまえば、

 

  • 安定型の自尊心を持つ人々は、自分の「欠点もふくめて受け入れるぞ!」という意識がある
  • 脆弱型の自尊心を持つ人々は、自分の欠点に抵抗しているため、普段は自信満々でもトラブルに弱くなる

 

ぐらいの違いです。確かに、ガラスの自尊心みたいなものを抱えたような人については、誰しも心当たりがあるんじゃないでしょうか。そう考えると、やっぱ真の自尊心への道はセルフアクセプタンスなんですかねぇ。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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