アンチエイジングお役立ちデータいろいろ:ミルクプロテイン、ベータグルカン、バーベリー、クルミの威力
アンチエイジンフには血管の健康が必須!ということで、近ごろ興味深かったデータを4つほど並べておきます。個人的にはやっぱミルクプロテインは気になるとこっすねー。
ミルクプロテインでメタボリスク改善?
「プロテインアイソレートでメタボのリスクが下がるかも?」みたいなデータ(R)が出ておりました。
これは20週間のRCTで、体重過多または肥満の男女44名が対象。どんなステップで実験を進めたかというと、
- 初期段階では、全員に1日に体重1kgあたり0.8gのタンパク質をふくむ食事を3週間ほど続ける
- 介入段階では、みんなにカロリー制限食(いまの体重を維持するのに必要なカロリーを1日750kcal下回る量)を16週間にわたって食べてもらう
- カロリー制限食と同時に、以下の2グループにランダムで割り付ける
- 1日に体重1kgあたり0.7gの糖質を追加で摂取(対照群、n=23)
- 1日に体重1kgあたり0.7gのタンパク質を追加で摂取(プロテイン群、n=21)
みたいになってます。追加のサプリはドリンクの形で提供されまして、タンパク質はミルクプロテイン・アイソレートを使ったらしい。
で、食事の終了時に体重、体組成、心代謝リスクを測定したところ、結果はこんな感じでした。
- ミルクプロテインを飲んだグループは、睡眠時の最低血圧と最高血圧、日中の最高血圧、空腹時の中性脂肪が低下した
- 空腹時のインスリン、グルコース、総コレステロール、LDLコレステロールには差が出なかった
- 体重、筋肉、脂肪量にも目立った差はなかった
ということで、カロリー制限中にミルクプロテインを加えると、血圧と中性脂肪に一定の効果があるみたいっすね。
まー、個人的には「普通食の一部をプロテインに置き換えた場合」で結果を見たかったし、全米酪農評議会から資金提供を受けてるとこもやや気になりますが、タンパク質の量を増やしてみるのは悪いことじゃなさそうっすね。
ベータグルカンでメタボが改善するかも?
βグルカンはオーツ麦に豊富な水溶性の食物繊維で、先行研究では「コレステロールに効く!」とか「中性脂肪に効く!」ってな可能性が報告されております。
ただ、ここらへんの効果については長期研究がなくて、毎日の食事に取り入れる意味があるかは謎だったんですが、新しいデータ(R)はそこらへんを調べてくれてました。
これは二重盲検クロスオーバー試験で、心疾患のリスクが低い20~65歳の男女83人が対象。実験では2つのパターンを用意しまして、
- 1日3gのオート麦ベータグルカンサプリを飲む
- ベータグルカンを含まないプラセボカプセルを飲む
って介入をそれぞれ8週間ずつ実践してもらったそうな(ウォッシュアウトは4週間)。そのあとで空腹時脂質や血糖値を調べたところ、
- ベータグルカンを4週間飲むことでLDLコレステロールが12.2%減少、8週間では15.1%減少した
- 4週間後と8週間後の両方で、総コレステロールとHDLコレステロールも改善した
ってな結果だったそうです。わりと良さげな感じですねー。
この試験では複数比較のための調整が行われてないので、結果の一部が偽陽性である可能性も高いんですが、まぁコレステロールにお悩みなら試してみる価値はあるのかもですな。
バーベリーで高血圧が改善する?
バーベリーはセイヨウメギと呼ばれる赤い実で、ポリフェノールが豊富なことで知られ、昔から炎症の改善に使われてきた歴史があるんですな。もっとも、その実力はまだよくわかってなかったんで、あらためてバーベリーの効能を確かめたデータ(R)が出ておりました。
どんな試験だったかと言いますと、
- 高血圧症の男女84人を集める
- 全員を、バーベリー1日10g、またはプラセボのどちらかにランダムで割り付ける
- 8週間後に血流や炎症がどうなったかを調べる
みたいになってます。シンプルながら信頼はおけそうな感じじゃないでしょうか。
で、どんな結論が出たのかと言いますと、
- プラセボ群と比較して、バーバリーのサプリは動脈の血流を6.5%改善し、炎症マーカーのレベルを低下させた
だったそうです。まー、個人的にはこのデータだけ見て「サプリを買うぞ!」とまでは思わないんですけど、注目しといてもいいかもしんないっすね。
高齢者のメタボにクルミは効かない?
「数あるナッツ類のなかでもクルミはメリットが大きい!」ってデータは多いんですが、新たな研究(R)では残念ながら「クルミはメタボには効かない」ってな結論が出ておりました。
こちらは2年間のRCTで、62~79歳の健康な高齢者625人が対象。実験では全体を2グループに分けまして、
- 普段の食事にクルミを取り入れる(1日のエネルギー必要量の約15%)
- いつもの食事を続け、クルミや他のナッツの摂取を控える
のいずれかに割り付け、どちらのグループもオメガ3脂肪酸が豊富な食品やサプリを避けるように指示されたそうな(メタボが改善しちゃうから)。その上で、BMI、血圧、HDL-C、中性脂肪をチェックしたら、結果はこんな感じになりました。
- どっちのグループも中性脂肪がわずかに改善したが、グループ間の違いは認められなかった
だったそうです。うーん、1日のエネルギー必要量の約15%もクルミにして違いが出なかったのは意外っすね。思ったよりクルミに意味がないのか、それとも対照群の食事が健康的だったのかは謎ですが……。