普段からよく歩かないと運動のメリットが下がっちゃうぞ!問題
「不老長寿メソッド」にも「歩くのが大事!」と書いてるとおり、手軽な運動法としてウォーキングは十分な効果があるよーってポイントを強調しております。とにかくウォーキングは安全だし、ちゃんと身体機能も改善してくれるんで、エクササイズの初歩として最適なんですよ。
で、ウォーキングの効能は他にもありまして、マイナーなところでは、
- ガッツリしたエクササイズの効果を左右する!
ってのがあります。たとえば、過去の研究(R)を見ていると、
- 普段から1日~17,000歩を歩いている人
- 普段から1日~1650歩しかしか歩かない人
といった人たちがランニングマシンで激しい運動をした場合、「1日~17,000歩の人」は「1日~1650歩」の人より脂肪が燃えやすかったというんですな。普段からよく歩く人ほど、激しい運動のメリットが大きくなるわけっすね。
ただ、この現象については、「毎日どれぐらい歩けば激しい運動のメリットを減らさずに済むの?」ってのはわかってなかったんですよ。どんぐらい普段から歩いておかないとヤバいのか?って問題っすね。
そこで新たなデータ(R)では、この「普段の歩数の積み重ねがエクササイズの効果を左右しちゃう問題」を調べてくれてておもしろかったです。ざっとデザインの内訳をまとめておくと、
- 健康的な男女10名が対象
- 「1日2500歩」「1日5000歩」「1日8500歩」の3パターンを設定し、みんなに2日ずつ歩いてもらう(各パターンを実施する際は、少なくとも1週間の間隔を空けている)
- 2日目の夜に、各パターンとも最大酸素摂取量の64%で1時間のランニングを行う
- その後の脂肪の燃え方をチェックする
といった感じになってます。要はみんなにいろんな歩数で歩いてもらい、それぞれでカロリー消費に違いが出るかを見たわけですね。当然、食事が違うとカロリーの使われ方も違うので、運動の後にみんな同じ高脂肪シェイクを飲むように指示したらしい。
それでは、結果を見てみましょうー。
- 食後における中性脂肪の濃度は、1日8500歩よりも2500歩と5000歩のときの方が有意に高かった
- グルコースの反応については、条件間で有意差は認められなかった
- 1日2500歩と5000歩のときの比べて、1日8500歩の後の運動は、より脂肪を消費する量が増えた(2500歩と5000歩のときは脂肪酸化が14〜19%減少し、中性脂肪の増加面積が22〜23%増える)
ということで、やはり1日の歩数が少ないと、有酸素運動による中性脂肪の酸化(要するにエネルギー化」が低くなっちゃうっぽい。簡単に言えば脂肪が燃えにくくなるわけっすね。
まぁサンプルが少ない研究ですし、各条件における参加者の食事データが提供されてないので、どこまで酸化量が歩数の影響を受けたのかと言われれば、やや心もとないところはあります。また、参加者の平均年齢は26歳までの運動をしない人がメインなので、いつも激しいトレーニングをしている人には当てはまらない可能性があるところご注意くださいませ。
とはいえ、「普段の歩数がエクササイズの効果を左右する」ってポイントについては先行研究もあるので、気にしておいたほうが良いのは間違いないところ。今回のデータを参考にすれば、やっぱ1日あたり8500歩は最低ラインになるのかな〜とは思いますね。