食後の運動、体に良いのか悪いのか問題
食後の運動に関するご質問をいただきました。
食べたあとに運動するのはどうなんでしょうか?食べた後にHIITやランニングをするのは無理だと思いますが、ウォーキングぐらいなら逆に体に良いのではと思いますが、いかが思いますでしょうか?
ということで、食後の運動はNGだとしても、軽い運動はどうなのか?って問題ですね。実際のところ、私が子供のころは「食後に体を動かすのはNG!必ず休め!だが、食べてすぐ横になると牛になるぞ!」とか言われてまして、子供心に「牛…?」とか思ってたもんです。牛。
で、いまんとこ全体的なところを見てみると、「軽い運動なら食後のメリットもあるかもだけど、デメリットもあるから注意してねー」ぐらいのとこじゃないでしょうか。結論をざっくりまとめておくと、こんな感じです。
食後の運動の良いかもしれないところ
まずは、あり得るメリットを簡単にまとめときましょう。
血糖値の改善に役立つかも?
- オタゴ大学など2016年の試験(R)では、2型糖尿病の成人41名に「食後に10分歩いてくださいねー」と指示したところ、30分間のウォーキングよりも血糖のコントロールがうまくいった
- 合計352名のデータをまとめた系統的レビュー(R)では、時間帯に関係なく食後に行う運動は血糖値のコントロールに有益だろうと結論づけている
胃腸(GI)の保護効果があるかも?
といったあたりが存在しまして、特に血糖値への影響については良い報告が多いかと思われます。ただ、ここでいう”食後"ってのは、食べ終わった直後に歩き出せ!って話でもなく、少なくとも30分は待ったほうが安全だと思われるのでご注意ください。
食後の運動の悪そうなところ
続いてデメリットを申し上げておきますと、複数のレビュー(R,R)を参考にすると、食後すぐに運動をすることにより、
- 吐き気
- 食事の逆流
- 下痢
- 体がだるい
といった報告がなさております。まぁここらへんは、食後に運動をしたことがある方なら周知の事実でしょう。
ただ、ここでのポイントとしては、
- ウォーキングぐらいの軽い運動であれば、消化器系の問題が起きる可能性は低く、上記で見た血糖コントロールのメリットが得られる可能性がある
- 上記の副作用のほとんどは、ガッツリ食事をした後なら1〜2時間、軽い食事なら30分も待てば回避できる
ってのがありまして、まぁ食後すぐでもウォーキングぐらいなら逆にいいのかもなーってとこですね(個人的には30分は待つ方がいいとは思いますが)。
まとめ
ってことで、以上の話をまとめると、以下のようになります。
- 食後はウォーキングぐらいの活動なら血糖値が改善する可能性はある(ただし、いま健康な人が必ず試すほどのメリットがあるとも思えないですが)
- 食後の運動には問題が起きやすいけど、多くの人は1〜2時間ぐらい待てばOKだろうし、少なくとも30分ぐらい待てばまず問題は起きないでしょう
といった感じでして、あとここに付け加えるならば、
- 脂肪、タンパク質、食物繊維が多い食事ほど消化が遅いので、そこは気をつけてねー
ぐらいじゃないでしょうか。私としては「食後に必ずウォーキングだ!」とまでは思わないものの、血糖に問題がある方であればお試しいただくのもいいかもしれません。