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アラフィフのオッサンが、最高筋トレサプリ「クレアチン」をうまく使うためのガイドライン

 

このブログでよく取り上げるサプリの筆頭格といえばクレアチン。その威力については国際スポーツ栄養学会も認めるほどで(R)、「クレアチンのサプリは筋トレをやってる人の筋肉量と筋力の増加に役立つよ!」って結論になってたりします。ブロマガでもおすすめのクレアチンを紹介してますんで、気になる方はどうぞ。

 

 

さて、近ごろ新たに出たメタ分析もまたクレアチンのお話で、ここではクレアチンに関する3つの疑問について調べてくれてます(R)。具体的には、

 

  1. 高齢者(50オーバー)の筋トレに関して、クレアチンってどれぐらい役立つの?

  2. クレアチンを飲む量(1日5g以下と5g以上)で効果ってどれぐらい変わるの?

  3. 筋トレの日にだけクレアチンを飲むんじゃダメなの?

 

って3つのポイントを調べてくれてます。私もたいがいアラフィフに足を踏み入れてますんで、今回のメタ分析はぜひ参考にしたいところです。まぁこれまでの研究でも、クレアチンが高齢者の筋トレに効くよーって話は多かったんで、おそらく意味はあるんでしょうが、今回のメタ分析みたいに細かな用法まで調べてくれたものは少ないのでありがたいですね。

 

 

で、分析されたデータの内訳を申し上げますと、こんな感じです。

 

  • 50歳以上の成人を対象に、少なくとも5週間をかけてクレアチンが筋トレに効くかを調べたデータをピックアップ。そのうち筋肉量が16試験、筋力についてはチェストプレスが17試験、レッグプレスが15試験で、いずれも無作為化プラセボ対照試験


  • サブグループ解析を行い、クレアチンローディング(1日20gを5〜7日間飲み続ける)をした場合としなかった場合を比較。と同時に、クレアチン低用量(1日5g以下)と高用量(1日5g以上)の効果も比べた

 

  • 試験の参加者数は18人〜80人で、合計669人(約55%が男性)。筋トレの頻度は週2~3回で、実験の期間は7~52週間


  • クレアチンの使用量は、低用量では1日3~5g、高用量では1日7~9.5g程度

 

という感じですが、試験のバイアスのリスクが評価されてないのと、メタ分析の際にPRISMAガイドラインに従ってないのと、事前登録もされていないとこがちょっとアレでして、そのあたりで結果の精度はやや落ちそうなあたりはご注意くださいませ。

 

 

では、分析の結果を見てみましょうー。

 

  • メインの分析では、クレアチンのサプリを使うことで除脂肪体重(≒筋肉量)が1.3kg増え、チェストプレス(SMD:0.28、95%CI:0.09-0.47)とレッグプレス(SMD:0.20、95%CI:0.00-0.39)の両方で小さな改善が見られた

 

  • サブグループ解析によると、低用量および高用量のクレアチンを補給することで、除脂肪体重(≒筋肉量)がそれぞれ1.4kgおよび1.2kg増えた

 

  • 低用量のクレアチンを飲むと、チェストプレスの筋力がわずかに増えた(SMD: 0.33; 95% CI: 0.05-0.61)。でもって、より大量のクレアチンを飲んでも、低用量の結果とほぼ同じだった(SMD: 0.23; 95% CI: -0.02-0.49)。ただし、低用量で効果を得るにはローディングが必要かも


  • 高用量のクレアチンを飲むとレッグプレスの筋力は増加えたが(SMD: 0.29; 95% CI: 0.04-0.54)、低用量のクレアチンには効果がなかった(SMD: 0.06; 95% CI: -0.24-0.36)

 

  • 筋トレを行う日にのみクレアチンを摂取すると筋肉量が1.7kg増え、チェストプレス(SMD:0.58)とレッグプレス(SMD:0.44)の両方が向上した

 

ということで、全体的には、筋トレ中にクレアチン飲むと高齢者の筋肉量と筋力がわずかに増えるってことで、やっぱクレアチンは筋トレのお供にちょうど良さそうっすね(特に歳を取るとサルコペニアが怖いし)。

 

 

まー、上述のとおりこの分析にはそこそこ方法論的な問題がありますんで、解釈が難しいところも多いんですけど、いまんとこ利用可能なデータをまとめると、

 

  • 私のようなアラフィフは、筋トレをしつつ1日あたり約3~9.5gのクレアチン(モノハイドレート)を飲むことで筋肉量が増え、チェストプレスとレッグプレスの筋力がアップするっぽい


  • 1日20gのクレアチンローディングを5~7日間続けることで、筋力向上にメリットがあるかもしれない


  • 筋トレを行う日だけでも、運動の60分前にクレアチンを摂取することで、より大きな効果を得られる可能性もある(この考えを支持する証拠は限られてますが)

 

といった感じになりますね。相変わらず私はクレアチンを常用してますんで、ここらへんのガイドラインを守りつつ今後もやってこうと思った次第です。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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