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【質問】HIITの効果を得るにはどれくらい時間がかかるんですか?

 


 

こんなご質問をいただきました。

 

HIITの質問です!HIITで結果が出るまで、どのくらいかかるのでしょうか?これぐらいやると結果が出るみたいな指針があると、モチベーションが続きやすいと思いました。

 

ということで、当ブログでおなじみのHIITは、どれぐらいで成果があがるのか、と。「HIITってなに?」という方は、「ランニングより体力がつきまくる!いまさら聞けない『HIIT』超入門」などをご参照ください。

 

 

で、この質問については、「HIITに何を望むか?」によっても答えが違ってくるんですが、ここではHIITをやる最大のメリットである

 

 

 

HIITを2週間続けたらどうなる?

まず2週間後の成果です。マクマスター大学の研究(R)では、被験者に2週間かけて6回のHIITを指示してまして、その内容はだいたいこんな感じです。

 

  1. 30秒間の「全力」サイクリングを4~7回行う
  2. その間に4分間の休息時間を設け、休憩中は低い強度でサイクリングをする

 

すると、たった2週間のHIITで、タイムトライアルの成績が平均10%近く向上したんだそうな。この短期間での改善ぶりは、さすがHIITって感じですね。

 

 

さらに、別の実験(R)では、普通の有酸素運動と比た場合、HIITはより短い時間で負えられるにもかかわらず、タイムトライアルのパフォーマンスに同じぐらいの改善が確認されたそうな。研究チームいわく、

 

トレーニング量に大きな差があることから、これらのデータは、スプリントインターバルトレーニングが、若い活動的な男性において、骨格筋と運動パフォーマンスの急速な適応を誘発する時間効率の良い戦略であり、連続したトレーニングに匹敵することを示している。

 

ということで、2週間もHIITを行うだけでも骨格筋の酸化能力は高まるし、持久力が改善すると考えていいんじゃないでしょうか。

 

 

 

HIITを6週間続けたらどうなる?

心肺機能の大幅な向上を狙うなら、最低でも6週間はHIITを続けたいところ。というのも、定期的なHIITを行うことで、VO2max(心肺能力の指標)が6週間程度で8%ぐらい向上するという報告(R)があるんですよ。

 

 

また別の研究(R)では、みんな大好きタバタ式で訓練した被験者のVO2maxが6週間のトレーニングで15%上昇したとも報告されてまして、「これはすごい!」って感じなんですよね。これだけ改善するなら、ぜひやってみたいところです。

 

 

まぁ、とはいえタバタ式ってのは死ぬほど辛いプロトコルでして、考案者の田畑泉先生も、「終わった後に大丈夫と感じるようなら、それは正しいやり方ではないぞ!」と戒めておられます(意訳ですが)。実験だと、8セットのタバタ式を目標にしたのに、6回や7回しか続けられない被験者もいたそうで、いかにガッツリとやらねばならないかがおわかりいただけるのではないかと(ちなみに、実験の参加者は、大学のスポーツチームに所属する猛者ぞろいだったらしい)。

 

 

ということで、以上の辛いトレーニングを続けられるという覚悟があるなら、ぜひ6週間ほど試してみていただければと思います。心肺機能の改善は、まちがいなくアンチエイジングには良いですからねぇ。

 

 

 

HIITを3ヶ月続けたらどうなる?

最後に3ヶ月やったらどうなるかを見てみましょう。こちらもマクマスター大学などの研究(R)では、1回10分間のHIITを週3回、3ヶ月間続けたところ、普通に負荷が中程度の有酸素運動を150分間続けるのと同じ効果が得られたとのこと(VO2ピークは両グループとも15~20%増加)。ここで使われたHIITは、

 

  1. 2分間のウォーミングアップ
  2. 20秒間の全力疾走を3回
  3. 各インターバルの後は、2分間のゆっくりしたラン
  4. 3分間のクールダウンで終了

 

みたいになります。つまり、実際にハードな運動をした時間は1回あたり60秒でして、やはりHIITは時短効果が高いよなーとは思いますね。ちなみに、研究が終わった時点で、普通の有酸素運動をしたグループの運動時間は27時間だったのに対して、HTTIグループは5時間強だったそうな。

 

 

ということで、3ヶ月後も心肺機能の改善は続くものの、ここからはエクササイズの時短効果がメインって感じになりそう。普通の有酸素運動とくらべて5分の1ぐらいの時間で同じ効果を得られるのだから、悪い話じゃないですよねー。

 

 

ってことで、実践期間ごとにHIITの効果をわけてみました。モチベーションアップの一助になれば幸いです!


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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