【質問】レジスタンスバンドで筋肉をガッツリとつけることができますか?
こんなご質問をいただきました。
レジスタンスバンドでもちゃんと筋肉をつけることはできるのでしょうか? バーベルやダンベルのほうが良さそうだとは思いますが、ようなフリーウェイトと比較してどうでしょうか?
レジスタンスバンドってのは伸び縮みするゴムでできたトレーニング器具でして、値段が安い(高くても1000〜4000円ぐらい)し、携帯性も高いしで、バーベルやダンベルよりは圧倒的に使いやすいのがウリ。ジムに行くのはめんどうだけど、自重トレーニングよりは負荷をかけたいという人にはかなりよいのではないでしょうか。
でもって、ご質問の件ですが、ざっくり結論から言うとこんな感じです。
- レジスタンスバンドでももちろん筋肉はつく
- ただし、レジスタンスバンドは、ダンベル、バーベル、ケトルベルと比べたら劣る
まー、レジスタンスバンドがフリーウェイトより良いってことはないでしょうが、普通に筋肉を成長させたいだけなら十分に機能してくれるはずであります。
では、レジスタンス・バンドのメリットとデメリットをそれぞれ見ていきましょうー。
レジスタンス・バンドのメリットとデメリット
レジスタンスバンドの良いところ
レジスタンスバンドのメリットといえば価格と携帯性が一番で、そのおかげでジムに通うよりも「少しずつ、頻繁に」筋力トレーニングを行えるのがデカいですね。そのため、まだ筋トレに慣れていないような人は、手軽な習慣化アイテムとしてレジスタンスバンドを使うのもアリじゃないでしょうか。
また、その他のメリットとしては、
- バーベル、ダンベル、ケトルベルは、重力に頼っ て負荷をかけるが、レジスタンスバンドは垂直方向と水平方向の両方に負荷がかかるため、エクササイズの幅が広い。
- レジスタンスバンドは、力を入れ始めるときは抵抗力が小さいので、関節が痛いときなども負担を少なくトレーニングできる。なので、ケガのリハビリなんかにも有用
みたいなのがありますね。まぁー、いまのところレジスタンスバンドの効果について調べたデータって少ないんですが、要は自重トレーニングの負荷を増やしたような運動なので、普通に考えれば効くだろうと思う次第です。基本、筋肉の成長って、その抵抗がどこから来るかってのは関係ないですからね。
レジスタンスバンドのイマイチなところ
続いてレジスタンスバンドのイマイチな点ですが、こちらも明確なデータがあるわじゃないのですが、
- レジスタンスバンドって、筋肉が伸びてるときにテンションがかからないからなぁ
ってのがあります。
たとえば、レジスタンスバンドでダンベルカールの動きをすると、腕を曲げたときに最も負荷が強くなり、腕を伸ばすときに負荷が減っていくじゃないですか。こういうテンションのかかり方って、筋肉の成長にはいまいち不向きだったりするんですよ。筋肉ってのは、引き伸ばされる動きのときに負荷をかけたほうが力を発揮するので。
レジスタンスバンドのデータは少ないものの、「筋肥大のためには引き伸ばす際の負荷が大事!」ってポイントは、これまでにもさまざまな研究で立証されてまして、
- シーテッドレッグカールとライイングレッグカールを比較した研究では、12週間のトレーニングの後、シーティッドレッグカールのほうがハムストリングスが成長した (R)。これは、シーテッドレッグカールのほうが、ハムストリングス筋の一部を伸ばした状態にするからだと思われる。
- レッグエクステンションを用いた同様の研究でも、筋肉をより伸ばすトレーニングすると、より速い成長速度が得られることが示された(R)。
みたいな感じだったそうな。上記のテストはレジスタンスバンドを使ったものではないですが、これを見ると、理論的にはレジスタンスバンドが不利だとは言えましょう。
まとめ
そんなわけで、以上の話を考慮したうえで、「フリーウェイトまたはレジスタンスバンドのどちらを選ぶ?」と言われれば、個人的にはフリーウェイトを選びたいところです。ただ、レジスタンスバンドの携帯性は捨てがたいものがありまして、新型コロナでジムが閉鎖したときなどは、私もレジスタンスバンドを使ったりしましたしね。
でもって、バンドがあればより多くのエクササイズを選べますし(特に背中のトレーニングとか自重よりかなりよい)、ジムに行けないときなどは良い選択じゃないでしょうか。筋肉をガッツリ成長させるぞ!ってときのベストな解ではないものの、筋肉量の維持が目当てなら十分に役立ってくれるはずですんで。