セラピーの第一人者「やる気が出ないときは、この5つの方法を試してみて!」
アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)の創始者としておなじみスティーブン・C・ヘイズ 先生の本(R)に出てくる、「モチベーションを高めるためのヒント」がおもしろかったのでメモっておきます。
同じテーマをあつかった本は多いですが、ここでは認知行動療法の考え方が使われているのがポイント。従来のメソッドで効果が出なかった方も、もしかしたら試す価値があるかもしれません。
メソッド1:「やる気がない」を観察する
やる気が出ない!と思ったら、「その『やる気がない』ってのはどういう感覚なのか?」を探ってみるのもアリ。例えば、
- 自分の体のどこに「やる気のなさ」を感じるだろうか? その感覚を言葉で説明すると、どのようになるだろうか?(「首元の筋肉がだるい感じ」みたいな)
- 「やる気のなさ」は、どのような感情が混ざっているのだろうか? 退屈? 焦り?sそれとも怒り? 混ざり合う感情を、どうやって区別できるだろうか?
- 「やる気のなさ」は変化しているだろうか? それとも変わらないだろうか?
といった感じになります。自分の「やる気なさ」をじっくり観察できたら、無理に変えようとせず、しばらくほうっておきましょう。そのうえで、「やる気がない」という感覚に変化が起きるかどうかをチェックしていけばOKです。
って、一見、なんにもしていないように思えちゃいそうですが、この手法の効果は、モチベーションのなさに対処するのに役立つことが、実験で示されていたりします。
メソッド2:「自己批判」をいじる
人によっては、「やる気がない」自分を批判してしまい、それによってさらにモチベーションが下がってしまうケースも多め。「私は怠け者だ」「何もできない人間だ」「無価値な人間だ」みたいな感じですね。
このような状態にハマったら、上記の思考をもっとシンプルに要約し(「ダメ人間」とか「無価値人間」とか)、それを30秒間ほどできるだけ速く頭の中で繰り返す(「ダメ人間ダメ人間ダメ人間ダメ人間ダメ人間ダメ人間!」みたいな)。
もしくは、自分の好きな陽気な歌(ウンジャラゲとか)に合わせて、「ダ〜メ〜人間♪ダメ人間〜♪♪」と歌うのもいい。これもバカみたいな手法ながら、確実に自己批判の辛さはやわらぐ。
メソッド3:その場で立ち上がって動く
やる気が出ない!と思ったら、いますぐ立ち上がってジャンプしたり、スクワットや腕立て伏せをして、とにかく血流を良くするのもアリ。ただ長時間座っていると、姿勢と呼吸が固まった結果、思考や感情も鈍ってしまうんで。
この状態を手っ取り早く改善するには、近所を軽く散歩するのもいいだろう。自然の中で過ごせば、さらにボーナスポイントが加算される。
メソッド4:最後のモチベーションを参考にする
人によっては強いプレッシャーでモチベーションが上がることがあれば、また別の人はルールはゆるやかなほうがモチベーションが上がることもある。
モチベーションが出やすい条件は人によって異なるため、もし「やる気が出ない!」と感じたら、まずは「自分が最後に最もモチベーションが出たときって、どんな感じだったっけ?」と自問。そのときの状況をできるだけ再現できないかを考えてみるのもあり。
メソッド5:理由を掘り下げる
それでも、目の間の仕事へのモチベーションが上がらないときは、「そもそも、なぜこの仕事をしなければならないのか?」と考えてみるのも吉。どれだけ無駄に思えた仕事でも、その根底には、「経済的な安定に欠かせない」要素があるかもしれないし、「他人とのつながりが得られる」効果があるかもしれないし、「もっと大きな目標に向かう」のに欠かせないかもしれないことがわかったりしますんで。
いずれにせよ、いったん手を止めて、「この作業って自分の何に役立つんだっけ?」と考えてみるのは、意外なほどモチベーションアップに約だったりします。「最高の体調」でも強調した『価値観』につながるポイントですね。
ってことで、5つのヒントをまとめてみましたが、モチベーションを上げる方法は人によってまったく変わるので、いくつもの実験を行って、自分にとって最もよく効くアプローチを見つけるのが重要になります。そのためには実験の積み重ねが必要になりますが、自分の価値観やら目標を探ってみるのも楽しいものなので、いろいろとお試しになっていただければと。