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「読書にはこんなに良いことがあるよー」のまとめ#2

 


こないだ書いた「読書のメリットまとめ」の続きでーす。引き続き、研究で確認された読書のメリットを見てみましょうー。

 

 

 

読書のメリット4. 他人の心が読めるようになるぞ

ハーバード大学などの研究(R)では、参加者たちに、文学、大衆小説、ノンフィクションのいずれかを読むように指示。その後、俳優の目だけを写したモノクロの写真を見てもらい、「この人はどんな感情を抱いていると思います?」と尋ねたんだそうな。

 

すると、文学を読むように割り当てられた参加者は、他のグループに割り当てられた参加者よりも、他人の感情を読むテストの成績が良い傾向があったとのこと。要するに、文学を読むことで共感能力が高まり、他人が考え、感じていることを理解しやすくなるわけですね。

 

研究チームいわく、

 

現代の文芸小説の特徴は、ベストセラーのスリラーやロマンスとは一線を画している。文芸小説は、文体的な仕掛けを駆使することで、読者に親近感を抱かせない。そして、現実の世界と同じように、文学小説の世界には複雑な人物がたくさん登場する。

 

とのこと。近年の文芸小説は、他の人の視点や考え、感情を取り入れるトレーニングとして働き、私たちの共感や視野を広げてくれる働きがあるわけっすね。

 

ちなみに、ここで使われた文芸小説は、全米図書賞の候補になった作品を使っていて、

 

テア・オブレヒト『タイガーズ・ワイフ

ジェスミン・ウォード『骨を引き上げろ

ルイーズ・アードリック『The Round House (丸い家)』(邦訳なし)

 

の3作が挙げられておりました。ジェスミン・ウォードは気になっていたから、読んでみるかな……。

 

 

 

読書のメリット5. ストレスを軽減する

セトンホール大学などの研究(R)では、22人の学生を集めて、1回30分のヨガ、お笑い、読書を週1回のペースでやってもらったところ、どのグループも、血圧、心拍数、メンタルの苦痛といった感情が同じぐらい低下したそうな。

 

研究チームいわく、

 

学生たちは、「時間的な制約が多いせいでストレスレベルが高い」とよく報告する。そのため、これらのテクニックの一つを30分行うことで、勉強から多くの時間を割くことなく、簡単にスケジュールに組み込むことができる。

 

とのこと。とにかく自分が夢中になれる本に没頭することで、日常世界の心配事やストレスから逃れられるんだよーって話らしい。なので、ストレスを解消するためには、文学とかエンタメ小説とかにこだわらず、自分が好きな本をお読みください。

 

 

 

 

読書のメリット6. 睡眠の改善

アイルランド国立大学の研究(R)では、991人の男女を集めて、「寝る前にベッドで本を読む」か「何も読まずに寝る」のどちらかへランダムに割り当て。これを7日間ほど続けてもらったところ、以下の結果が出たんだそうな。

 

 

  • 全体として、寝る前にベッドで本を読んだグループはは睡眠の質が改善した。介入群(ベッドで本を読む)では42%(156人)が睡眠の質が改善したと感じたのに対し、比較群(ベッドで本を読まない)では28%(112人)であり、介入群に14%の差があった。

 

  • ベッドで本を読んだグループは。本を読まなかったグループに比べて、睡眠障害が少なかった。寝る前にベッドで本を読むと、睡眠障害が平均で2~4単位低く、これは寝る前に本を読む人は、睡眠障害が2%~4%低いということになる。

     

 

  • ベッドで本を読んだグループは、日中の眠気が平均して0.5~1単位高くなることがわかった。日中の眠気は1から10までの尺度で記録されるため、これは、寝る前に本を読む人の日中の眠気が5%から10%高くなる可能性があるという意味になる。ただし、この増加は非常に小さいため、影響はほとんどないと思われる。

 

ということで、日中の眠気がちょっと増えるって問題はあるものの、全体的には読書は睡眠を改善するらしい。読書は前頭葉と大脳辺縁系を活性化させて全身にリラックス効果をもたらし、これが睡眠の改善につながるらしい。これもうれしいメリットですなぁ。

 

 

 

読書のメリット7. 頭の劣化を抑えるぞ

中国医科大学の研究(R)では、1,962人の高齢者を集め、14年間におよぶ追跡調査を実施。みんなの読書量と脳の働きを定期的に追いかけたところ、

 

  • 読書の回数が多い人(週1回以上)は、本人の教育レベルに関わらず、認知の機能が低下していなかった!

 

って感じだったそうです。まぁこの研究だと、「読書が認知症予防になる」のか、それとも「脳が健康だから読書をする」のかは判断がつきかねるんですけど、研究チームいわく、

 

読書はその後の人生における認知機能を保護する。頻繁な読書は、あらゆる教育レベルの高齢者において、長期的な認知機能低下リスクの低下と関連する。

 

読書は典型的な知的活動だ。余暇のための読書は、高齢者にとって延命という健康上のメリットがあることが証明されており(、認知は読書と生存優位性を媒介する可能性がある。

 

とのこと。少なくとも読書が良い脳トレになるのは間違いないので、脳の衰えを防ぐためにも、週1でいいから本を手にするのはいいことじゃないでしょうか。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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