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【質問】プロバイオティクスのサプリメントで副作用が出ることはありますか?

 


こんなご質問をいただきました。

 

プロバイオティクスって副作用はないのでしょうか?健康に良いといわれてるのは分かりますが、腸内の細菌はバランスが大事なので、サプリでバランスを変えると悪影響もあるんじゃないかと思いました。パレオな男では副作用についてあまり触れられてないので気になりました。

 

ということで、プロバイオティクス(=腸内細菌のサプリ)には副作用があるんじゃないか、と。まぁどんなサプリでも副作用は存在するので、プロバイオティクスだけ完全に安全ってことはないでしょうからね。

 

で、まずは概論を述べておくと、プロバイオティクスは、他のサプリと比べても安全性はわりと高いほうだとは思われます。多くの研究を見ても、プロバイオティクスは大多数の人々にとって安全だって報告の方が多いもんですから。

 

とはいえ、世の中に完璧なサプリなどは存在しないのが現実。安全性が高いとはいえ、副作用もそれなりに報告されてたりするわけです。そこで今回は、プロバイオティクスで起こり得る問題をチェックしていきましょう。

 

 

  • 不快な消化器症状を引き起こす可能性はわりとある:プロバイオティクスで最も一般的に多い副作用は、ガスと膨満感の増加です(R)。プロバイオティクスのせいでお腹に大量のガスが出ちゃって、腹がパンパンになっちゃうわけっすね。また、酵母をベースにしたプロバイオティクスを摂取している人は、便秘や喉の渇きが起きる可能性もありますんで、こちらも注意してください。その原因はまだよく分かっていないものの、だいたいは数週間ぐらい使い続けると治まると考えられております。

 

 

  • ヒスタミンに弱い人には問題が出るかも:プロバイオティクストに使われる菌株の中には、腸内でヒスタミンを作り出すものがあったりします(R)。ヒスタミンは、免疫系が脅威を感知したときに作られる物質で、こいつが増えると血管が拡張して、赤みや腫れが出たり、かゆみ、涙目、鼻水などのアレルギー症状が出ちゃったりするんですよ。

    私もそうなんですが、世の中にはヒスタミンに弱い人が何人かいまして、その場合は、プロバイオティクスでアレルギーっぽい反応が出ることもありますんでご注意ください。ヒスタミンを作り出す菌株には、Lactobacillus buchneri、Lactobacillus helveticus、Lactobacillus hilgardii、Streptococcus thermophilusなどがあるので、ここらへんは避けたほうが良いでしょう。

 

 

  • アレルギーがある人は特に注意:これは、厳密には腸内細菌の副作用じゃないんですが、プロバイオティクスのサプリは、乳製品、卵、大豆などのアレルゲンを含んでいたりするんですよ。実際、プロバイオティクスによる乳糖不耐症の問題も報告されてますんで、アレルギーの問題がある方はご注意ください(R)。

    ついでに、プロバイオティクスのサプリには、イヌリンや各種オリゴ糖が入っていて、これらの成分によってガスや膨満感が出るケースもあったりします(R)。これも合わせて注意ですね。

 

 

  • 人によっては感染リスクが高める:めっちゃまれなケースではあるんですが、人によっては、プロバイオティクスに含まれる細菌や酵母が血流に入り、感受性の高い人に感染症に似た症状を引き起こすことがあったりします(R)。そのリスクが最も高いのは、免疫系が抑制されている人、長期入院している人、最近手術を受けた人などでがありまして、該当する方はくれぐれもご注意を(過度にビビらなくてもいいですが)。

 

 

  • アミンが頭痛を誘発する可能性:これはプロバイオティクスのサプリとは異なる話ですが、ヨーグルト、ザワークラウト、キムチなど、腸内細菌が豊富な食品の中には、生体アミンを含むものがあったりします。これは、タンパク質が細菌によって発酵する際に作られる物質で、ヒスタミン、チラミン、トリプタミン、フェニルエチルアミンなどが代表的な例。アミンが頭痛や片頭痛を起こすかについてはまだ謎が多いんだけど、アミンは中枢神経系を興奮させますんで、頭痛が起きやすい人は注意が必要でしょう。

 

 

ってことでいろいろと書いてきましたが、プロバイオティクスにも副作用はありますんで、頭に入れておいてくださいませ。ガス、膨満感、かゆみ、発疹、じんましん、腫れ、呼吸困難などのアレルギー反応が出た場合は、すぐにプロバイオティクスの摂取を中止し、医師に相談するのがベストであります。

 

また、プロバイオティクスによる副作用の可能性を減らすには、最初は少ない量から始め、数週間かけて徐々にサプリのラベルに書かれた推奨量まで増やしていくようにしてください。これによって体を慣らすことができますんで。

 


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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