【質問】舌磨きやマウスウォッシュって口臭を抑えるのに有効なんですか?
こんなご質問をいただきました。
マウスウォッシュとか舌磨きって、口臭対策になりますか?口臭のためにどちらもやっていますが、なんだか効果を感じられません。
ってことで、一般的に、口臭に悩んでいる人にはマウスウォッシュや舌磨きがオススメされるわけですが、果たしてこれらの手法には効果があるのか、と。確かに、全人口の50〜60%が口臭に悩んだことがあると言われてまして、気になるところかもしれません。
ってことで参考になるのが、みんな大好きコクランレビュー(R)で、過去に行われた口臭対策の研究から、信頼度が高そうな44件のデータをまとめて信頼できそうな結論を出してくれております。対象になった人たちは17〜77歳の男女1809人。全部で8つの口臭対策を選んで、実際の効果を調べてくれたんですね
- 舌磨きとか歯ブラシとか、舌になんらかの器具を使う方法
- チューインガム系
- 全身脱臭剤(食用キノコ抽出物)
- 口に使う局所剤(ゲルとか)
- 練り歯磨き
- マウスウォッシュとかうがい薬とか
- 錠剤系
- 上の治療法を組みあわせたもの
これらのテクニックが、口臭の臭いの原因である揮発性硫黄化合物(VSC)を、どれぐらい抑えてくれるのかをチェックしたわけですね。VSCってのは、食べ物のカス、歯垢、唾液のタンパク質、微生物の死骸などから生み出されまして、こいつを取り除かないと、口臭は改善されないんですよ。
ってことで、この調査から、ご質問の答えをピックアップすると、こんな感じになります。
- 舌磨き=正直、効果があるかわからん。6点満点で平均0.20ポイントが改善するかも?ぐらいの結果で、効果があったとしてもかなり低めだし、信頼性が低い研究2件でしか効果をチェックしていない。
- マウスウォッシュ=正直、効果があるかわからん。こちらも6点満点で平均0.20ポイントが改善するかも?ぐらいの結果で、信頼性が低い研究1件でしか効果をチェックしていない。
ということで、そもそも舌磨きとマウスウォッシュの効果をチェックした研究が少ないし、そのデータも精度がイマイチってことで、今の段階では「なんとも言えん!」としか言いようがないんですよ。それなのに、「口臭対策=舌磨きかマウスウォッシュ」みたいな考え方が一般的なのが不思議ですが。
まぁ、これはあくまで「よくわからん」としか言ってないので、使っちゃいけないと決まったわけでもありません。試しに使ってみて、それでも効果が感じられなければお医者さんに行ってみてくださいませ。
ちなみに、もし舌磨きかマウスウォッシュを使う場合は、以下のポイントに注意しておいてください。
- ラウリル硫酸ナトリウムと呼ばれる成分が入っているマウスウォッシュは、人によっては口内炎が発生したり、口内炎が悪化したりといった悪影響が出る可能性がある。ただし、過敏症の心配がない人は、このような副作用を経験することは少ない。
- 唾液腺から十分なツバがでない「ドライマウス」に悩んでいる場合は、フッ素入りのマウスウォッシュが推奨される。アルコールを含む洗口液は、ドライマウスの症状を悪化させる可能性があるので注意。
- アルコール入りのマウスウォッシュでヒリヒリした痛みを感じる人もいる。マウスウォッシュの中には、アルコールが25%まで含まれているものもあるので注意したい。
- また、アルコール無添加のマウスウォッシュであれ、アルコール配合のマウスウォッシュであれ、口の中の細菌を殺してしまう可能性があります。
- さらに、抗菌剤が入ったマウスウォッシュの中には、口の中の良い細菌を殺してしまうものもある。これらの細菌は、食べ物を分解し、健康な歯と歯ぐきを保つのに欠かせないため、定期的に口の中の細菌をすべて殺してしまうのは問題がある。細菌を殺さないマウスウォッシュならアリ。
- 2019年に発表されたレビュー(R)によると、マウスウォッシュは歯の着色が起きやすい問題もある。一般に、鮮やかな色をしているマウスウォッシュは、そうでないマウスウォッシュよりも着色しやすいので注意。
- 2016年の研究(R)によると、マウスウォッシュを定期的に使用する人は、マウスウォッシュを使用しない人に比べて、頭頸部がんのリスクがわずかに上昇する可能性があると結論づけてたりします。この関連性がどこまで事実なのかはまだ議論があるんですが、ちょっと怖くなっちゃうとこではあります。
- 舌磨きは、誤って舌の表面を切ってしまう副作用が最も多い。なので、舌磨きを使う前に、安全かどうかを毎回確認する必要がある。
って感じで、いろいろ書いてきましたが、あんま刺激が強くないマウスウォッシュであれば、試しに使ってみるのも良いのではないでしょうか。私としては、「マイルドバイネイチャー レッシュブレスオーラルリンス」なら、口腔内の刺激も少なくて良いのではないかと思っております。