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プチ断食で体脂肪を減らすなら、このポイントに気をつけてねーというメタ分析の話

 
 

毎度おなじみ「プチ断食」について、2024年最新版のメタ分析(R)が出てましたんで、詳しい内容をチェックしてみましょうー。

 

簡単におさらいすると、プチ断食ってのは「1日のうち16時間だけ何も食べない!8時間は好きなように食べる!」みたいな食事法で、空腹の時間を長めに取ることで体内時計を調整し、それによって健康や体重管理をしようぜ!みたいな考え方になっております。これは私もずっと実践してまして、個人的には体型の管理に役立ってる気がしているし、なんとなく集中力が上がるなーとか思ってたりします。

 

ただし、これは私の主観なので、「プチ断食はどこまでダイエットに役立つの?」ってあたりは知っておきたいところ。そこで今回のメタ分析では、プチ断食に関する20本の先行研究をまとめて、「プチ断食は体脂肪を減らすのか?」ってテーマについて、現時点で最も精度が高い結論出してくれております。プチ断食の適切な使い方も探れる内容になっているので、役に立つ内容になってるんじゃないでしょうか。

 

 

プチ断食は脂肪燃焼に役立つ!メタ分析が示した効果

まず結論から言っておくと、このメタ分析では、20本の研究から集めた1,288名のデータを解析して、プチ断食の効果を以下のようにまとめております。

 

  1. 体脂肪が減少する:プチ断食を行った場合、体脂肪率が平均で約0.48%減少する。これはわずかに見えちゃうんだけど、これが長期的には健康改善につながる。


  2. 脂肪量が減少する:体脂肪量(体脂肪そのものの重さ)も、平均1.4kgの減少が認められた。特に肥満気味の人にとって、この減少は重要な意味を持つと思われる。


  3. 体重が減る:プチ断食を実践したグループは、平均で2.11kgの減少が見られた。食事量を直に制限せずにこの結果を得られるのは、プチ断食の大きなメリットといえる。


  4. ウエストが細くなる:ウエストサイズが平均2.14cmの縮小を記録。これは腹部脂肪の減少を示唆しており、内臓脂肪のリスクを減らす可能性もある。


  5. 若年層・中年層は特に効果が高い:特に20~45歳の参加者は、脂肪燃焼の効果が上がり、ウエストサイズが減りやすくなる効果が強く現れた。

  6. 肥満気味の人も特に効果が高い:BMIが25以上の人は、プチ断食の恩恵を受けやすいっぽい。脂肪が減るだけでなく、ウエストや体重全体の減少が期待できるので、肥満傾向の人ほど試す価値がありそう。

 

ちなみに、これらの効果は、あくまでプチ断食だけの効果を調べた場合の効果でして、一般的なダイエットとの効果を比べたものではないのでご注意ください。9つの試験ではプチ断食のみ用いられ、他の試験ではプチ断食とカロリー制限および/または運動が併用されてる感じっすね。

 

とはいえ、この結果だけを見ても、「プチ断食には効果があるんだなー」って印象がありまして、やはり体重のコントロールに役立つメソッドなのだと言えましょう。

 

 

 

プチ断食の注意点

ということで、プチ断食には効率よく体脂肪を減らす働きがありそうですが、データを見ると注意したいポイントも見えてきますんで、そこらへんも押さえておきましょう。

 

  1. 筋肉量の減少:プチ断食では脂肪だけでなく、筋肉量もやや減少する可能性がある。特に、たんぱく質の摂取を意識しない場合や、運動を組み合わせずに、このリスクが高まりやすい。筋肉量が減少すると基礎代謝が下がり、リバウンドしやすくなる可能性があるため、プチ断食を実践する際には、たんぱく質を意識的に増やして、筋トレを一緒に行うことが推奨される。


  2. LDL(悪玉コレステロール)の増加:プチ断食を実践した結果、一部の研究でLDLコレステロールがわずかに増加することが確認された。ただし、この増加は短期的な脂質代謝の変化によるものであり、健康リスクを深刻に懸念する必要はないと思われる。特に若年層や健康体の成人では、LDLの増加が健康状態に大きな影響を与える可能性は低い。


  3. 高齢者は慎重になるべき:65歳以上の参加者では、プチ断食の効果が弱い傾向にあった。これは筋肉量が減少しやすいことや、代謝が低下している可能性が背景にあるのだと思われる。

  4. 既存の代謝疾患を持つ人も慎重に:糖尿病や心血管疾患などを抱える人に対するデータはまだ十分ではない。こうした場合は、医師に相談した上での実践が望ましい。まぁこれは新しい食事法に取り組む時には、すべて当てはまることですが。

 

 

 

プチ断食を成功させるためのポイント

でもって、今回のデータを見てみると、プチ断食を正しく実践するコツはこんな感じになるでしょう。

 

  1.  食事時間は6~8時間を目安にする:このデータでは、食事をする時間は6~8時間に制限するのが最も効果的だった。例えば、朝10時から夕方6時までの間に食事を済ませるスタイルが典型的らしい。逆に10~12時間の食事時間を設定した場合は効果が弱まる傾向があるため、短めの食事時間が鍵なのだと思われる。


  2. たんぱく質をしっかり摂る:筋肉量を維持するために、食事の時間内でたんぱく質を意識的に摂取するのが吉。難しかったらプロテインを使ってみるとよさげ。


  3. 運動を併用する:プチ断食を行う時は、筋トレと一緒に行うことで筋肉量の減少を防ぎ、脂肪燃焼効果を高めることができる。その際には、週2~3回の筋トレを取り入れると良い。


  4. 長期的な視点を持つ:短期間で劇的な効果は出ないので、プチ断食は健康習慣の一部として取り入れるのが大事。

 

こんな感じで、特にプロテインと筋トレの併用を意識しておくと、プチ断食の成功率は高まりそうであります。ざっくりまとめると、プチ断食は脂肪燃焼や体重管理に効果を発揮しやすいシンプルな方法なので、体重のコントロールに困っているなら試すが吉。一方で、筋肉量の減少やコレステロールの変化といった注意点もあるため、そこらへんが気になる方は一般的なカロリー制限を行ったほうが良いかもですねー。


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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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