勉強の効果を激しくアップさせたいなら「昼寝と自分へのごほうび」を組み合わせるべし
睡眠不足が勉強の大敵なのは常識ですが、新しく出た研究(1)によれば「昼寝+自分へのごほうび」で学習の効率が激しくアップするらしい。
これはジュネーブ大学の実験で、31名の学生を対象にしたもの。全員を以下の4グループにわけて、トランプの「神経衰弱」のような記憶テストを行ったんですね。
- 記憶したあとに90分の昼寝。正解率が高いときは賞品がもらえる
- 記憶したあとは普通に休憩。正解率が高いときは賞品がもらえる
- 記憶したあとに90分の昼寝。正解率が高くても何ももらえない
- 記憶したあとは普通に休憩。正解率が高くても何ももらえない
で、3ヵ月後に全員へ抜き打ちテストを行ったところ、
- 「賞品がもらえる」と言われた学生は、「何ももらえない」と言われた学生より正解率が高かった
- さらに、90分の昼寝をした学生は、普通に休憩した学生よりも正解率が高かった
って結果だったらしい。つまり、「昼寝+ごほうび」がもっとも学習の成績をアップさせたわけですね。
また、この実験ではテストと同時に脳波測定も行われてまして、昼寝をしたグループは休憩グループよりも海馬や前頭前皮質、線条体といったエリアが活性化してたとか。いずれも記憶に関係する部分であります。昼寝で記憶力があがるって実験は2013年にもあったんですが、3ヵ月が過ぎても効果が持続してるってのは驚きですねぇ。
研究者いわく、
自分への「ごほうび」は、学習中の脳に情報をひも付けする、いわばタグのような働きをするのだろう。「ごほうび」によってタグ付けされた情報は昼寝のあいだに整理され、脳の長期記憶エリアへと送り込まれる。
睡眠が記憶を強化するのは有名な話だ。しかし今回の実験では、睡眠にはさらに大事な働きがあることがわかった。わたしたちが自分で「ごほうびをもらえるだけの価値がある」と認めた情報を重点的に強化してくれるのだ。
重要な情報を優先して記憶に残すのは、人類の生存や成功にとって欠かせない要素だ。この能力が発達したのも当然だろう。
とのこと。人間の脳は役に立つ情報を記憶するために発達した器官なので、「この情報を覚えるといいことがあるよー」と思い込ませるほど機能がアップするわけですね。
というわけで何かを学びたときは、情報のメリットを再確認しながら勉強し、その後ですぐに寝ちゃうのが一番って感じ。もちろん「次の賞まで覚えたらチョコが食える」ぐらいのごほうびでも効くとは思いますが。
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