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うつ病の根本原因「反すう思考」を止めるためのAWAREテクニック

Awar

認知行動療法の聖典と呼ばれる「認知行動療法実践ガイド」を呼んでたら、AWAREテクニックってのが手軽なメンタルヘルスの維持に使えそうだったんでメモ。



これは認知療法の父であるアーロン・ベックが近年になって使い始めた方法で、もともとは不安傾向が強い患者さんの「反すう思考」を解決するために生み出されたもんだそうな。「反すう思考」はうつや不安の一番の原因と言われてまして、

「反すう」とは、牛が胃から草を口にもどして何度もクチャクチャ噛む行為を指しますが、うつ病や不安症の「反すう」は、自分の欠点や過去の失敗を何度もイジイジと考え続けることを意味しております。この傾向が強い人ほど抑うつや不安に苦しみやすいことが、いろんなデータでもハッキリ出てるんですな。
http://yuchrszk.blogspot.jp/2015/05/blog-post_61.html

といったタイプの考え方を指します。この状態が続くと気分は沈むいっぽうで、ネガティブ思考もどんどん強くなっていっちゃう。



この問題を解決する手順をまとめたのが「AEAREテクニック」で、具体的には以下のような感じ。

  • Accept(不安を受け入れる):まずは自分の不安な思考や感情を「とても普通で自然なもの」だと受け入れる。まずは不安が存在する事実を認めるのがポイント。
  • Watch(判断せずに不安を観察する):次に不安から距離をおいてながめてみる。あくまで不安は一時的な現象で、やがては雲のように自動的に消えていく存在であることを観察していく。このとき、良い悪いの判断をせずに思考と感情をながめるのが大事。
  • Act(不安はないかのように、不安を抱えたまま振る舞うようにする):まるで不安や恐怖を克服したかのようにふるまい、なんの問題もないかのようなフリをして行動をする。完全に不安が消えるはずはないので、あくまで不安を抱えたまま平然とした態度で行動するのが大事。
  • Repeat(以上の3ステップをくり返す):以上の3ステップを可能なかぎりくり返しましょう。不安がわくと同時に自動的に1〜3までのステップが行えるようになるのが理想。
  • Expect(現実的な結果を期待する):結果に対して希望と自信を持ちつつも、決して手軽な解決を望まないこと。あくまで現実的に起こりうる障害を予想し、不安を抱えつつも行動していけばOKであります。

ネガティブな感情を受け入れるのはマインドフルネスの基本ですし、不安がないかのように振る舞うのは古代ローマから現代心理学までよく使われてきたテクニックであります。これが自然にできるようになれば、確かにうつ病のスパイラルにはハマらずにすみそうですねぇ。


アーロン・ベックいわく、

認知療法の目的は「不安のコントロール法」を教えることではない。一人ひとりの患者が「不安と戦う」のではなく「不安を受け入れる」態度を養うように導くのだ。

たとえば「わたしは不安感をやりすごせない」という思考を、「わたしは不安を感じても構わない。自分で危険や恐怖を誇張しているだけだと理解しているからだ」という思考に置き換えていく。その結果、不安の強さはやわらぎ、不安は少しずつ消えていくのだ。

とのこと。ネガティブな感情につきまとわれたら、とりあえず「AWARE」の5文字を思い出してみるとよさげです。



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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

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