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43.7%のうつ病が寛解する(かもしれない)スマホゲーム「SPARX」を遊んでみたぞ

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以前にニュージーランドで開発された「うつ病治療ゲーム」を紹介しましたが、その日本語iOS版がついに出たそうで、さっそく試してみました。

 

 

これはニュージーランドの医師チームが作った教育用ゲームで、RPGで遊びながら認知行動療法の基本が学べるナイスなソフト。このゲームをプレイした患者の43.7%はうつ病が寛解したそうな。すごい数字ですねぇ。

 

 

タイトルは「SPARX」で、お値段は1,080円。アプリとしては高い気もしますが、初心者向けの認知行動療法本を買うよりは安い感じ。認知行動療法のおいしいところがまとまったゲームなんで、個人的には高くないようにも思います。

 

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ゲームが始まると、まずはガイドの指示に従って自分の気分を診断。カウンセリングで使われる「抑うつ尺度」をコンパクトにアレンジしたような内容になっております。



 

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 ここ2週間の自分の抑うつ度を判定してくれますんで、ゲームを進めつつこのグラフを伸ばしていくのが目標になります。

 

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ストーリーは、失われた世界のバランスを取り戻すために7つのクリスタルを集めるというもの。ファイナルファンタジーっぽいですな。

 

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それぞれのステージは、「リラックス法」や「感情のコントロール」といった認知行動療法のテクニックに対応しております。

 

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 ゲームが始まると、話しかけた通行人がいきなり「呼吸法を教えてあげよう!」と返答してきたりして面白いです。こうやって少しずつ認知行動療法の基本テクニックを学んでいくわけですな。日本語訳もわかりやすくてよろしいんじゃないでhしょうか。

 

 

ちなみに、ゲームとしてのクオリティは中の中ぐらい。ややキャラの操作性に難があるのと、ゲーム内の謎解きがやたら簡単なんで、本格的なRPGを期待すると肩すかしになっちゃうでしょう。そのへんはご注意ください。

 

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ステージをクリアしたら、その日に学んだテクニックをおさらいして終了。 1ステージは30分ぐらいなんで、すべてを終えるまでは7時間もあれば十分であります。

 

 

集中的にやれば1日で終わるぐらいのボリュームなんですが、実際は1週間につき1ステージだけを行い、そこで学んだテクニックを現実世界で試すことが推奨されております。ジェイン・マクゴニガルの「スーパーベターになろう!」でも推奨されてたように、現実の問題をゲームのように扱える状態を目指すわけですね。

 

 

というわけで、個人的に認知行動療法系のアプリとしては最高峰だと思います(というか他に類似のアプリがないんですが)。 前述のとおり、認知行動療法の使えるテクニックがコンパクトにまとまってますんで、うつ病対策だけじゃなくて日常の感情コントロール法を学びたい方にも良いのではないかと。

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1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。