ムダな「寝すぎ」を減らして1日を有効に使うには?
炎症が減れば必要な睡眠時間も短くなる?
「パレオダイエットの教科書」のなかに、「実は狩猟採集民って睡眠時間が少ないんだよねー」みたいな話を書いております。
ネタ元は2015年のUCLA論文(1)で、タンザニアやナミビアの原住民と寝食をともにしたら、実はみんな平均で6.5時間しか寝てなかったというんですね。どの部族も、だいたいの睡眠は5.7〜7.1時間のあいだに収まってたんだそうな。
国立睡眠財団の最新レポートだと、「オッサンに最適な睡眠時間は7~9時間」になってまして、狩猟採集民との差にビックリしちゃうわけです。そもそも、狩猟採集民は長時間グッスリ寝てそうなイメージもありますしね。
この「狩猟民は短眠でも超健康!」問題について 「パレオダイエットの教科書」のなかでは、「いろいろ原因があるから難しいよねー」とだけ書いております。なんせまだ定説すらない話なんで、ヘタなことは書けないんですよねー。
が、その後もいろいろ見てますと、「体内の炎症が少ない人ほど眠らなくて済むんじゃない?」って説は、かなりイイ線いってるような気がしてきまして。
炎症フリーな暮らしを送るのは難しいが…
当ブログでは「炎症怖い!」って話を死ぬほど書いてまして、「若さを保つならまずは炎症対策だ!」と考えております。具体的には、
などをご覧ください。体内の炎症が続くといろんなとこがジワジワ壊れていくんで、こまめにメンテナンスしておくといい感じです。
もっとも、残念ながら、現代人で完全に炎症フリーな暮らしをしている人はまれでしょう。食事やストレスが少し悪化しただけで、体内の炎症レベルは上がっちゃいますからねぇ。かく言う私も、気を抜くとすぐにアレルギー体質がぶり返したりしますんで、なかなか難しいもんです。
健康な人ほど睡眠時間が短くて済むんじゃない?
で、「健康な人ほど睡眠時間が短くて済むんじゃない?」と思わせるデータは結構ありまして、たとえば2016年のメタ分析(2)でも「睡眠が長い人ほど体内の炎症が進んでるケースが多い」ってデータがあったり。2009年の観察研究(3)でも、ダラダラと長く寝る人ほど炎症の数値が高かったり。
もちろん、これらは観察研究ではありますが、免疫システムが睡眠をコントロールしているよーって証拠もかなりある(4)んで、ありえる話かなーと。
ちなみに私の体験でいうと、血液検査でCRPの数値(炎症マーカーのひとつ)が下がるほど、昼寝をしなくてもシャキっと活動できる傾向がハッキリと出ております。また、以前に「ジャガイモを食べ始めたらよく眠れるようになった」って話を紹介しましたが、これも体内の炎症が鎮まったおかげなんじゃないかと。
実際、4〜5年前までは9時間ぐらい寝ても頭がボーッとしてたのが、近ごろは平均7時間で頭がスッキリしてたりします。2時間も活動時間が増えたうえに、頭がハッキリと働くんですから、こりゃ素晴らしいですなぁ。
炎症が減れば1日が有効に使える
つまり、以上の話をまとめると、
- 睡眠時間を短くしたいならまず炎症対策を!
- 炎症が収まるほど1日を有効に使えるよ!
ってことです。強引に睡眠を減らしたら炎症が増すばかりですが、まずは炎症からアプローチすれば、自然と必要な睡眠時間も減っていくんだろうなーって話ですね。具体的な対策は「「炎症」を極限まで抑えるためのガイドライン」にまとめてますんで、ご参考までにー。