自分の頭の良さは「あるなしクイズ」 でわかる
頭がいい人は「あるなしクイズ」 が得意?
昔から、心理実験の世界では「頭の良さを測るテスト」としてRATってのが使われたりします。日本語では「遠隔性連想検査」と呼ばれまして、
- 以下の単語に共通する要素を答えなさい
- 「青、虚、真」
- 「出、数、化」
- 「位置、重り、北」
- 「魚、玉、無」
- 「場、朝、砂」
みたいな感じ。俗に「あるなしクイズ」と呼ばれる問題に近いっすね。
「頭の良さ」は違う要素に共通点を見つけられかで決まる
これで「頭の良さがわかるんじゃない?」と考えられ始めたのは1962年のこと(1)。ミシガン大学の研究者が、頭の良さに必要な要素を3パターンにわけたんですね。
- 類似性=違うものから共通点を見つけ出す能力
- 一般常識への理解=ありふれたものに対してよく考える能力
- セレンディピティ=大量の情報から違う意味を見出す能力。いわゆる「ひらめき」
研究者いわく、
かけ離れた物事をひとつにまとめる才能や素質は、創造的な解決策を生み出したいときには、欠かせない能力だ。
とのこと。要するに「頭の良さ」とは、パっと見はまったく違うもののなかに、共通項を見いだせることなんだ、と。異論も多いでしょうが、これが重要な能力なのは間違いないかと思われます。
RATと「頭の良さ」はちゃんと連動していた
というわけで、この能力を見分ける方法して採用されたのが「RAT」であります。まったく別物の単語から共通点を見つけ出せるかどうかが、現実の頭の良さと連動してるんじゃないかと考えたんですね。
もっとも、この考え方には異論も多くて、「言語の能力しか測れないんじゃないの?」と言われ続けてきたんですね。確かにRATにはビジュアル要素がないので、うなづけるところではあります。
が、近ごろチェックした論文(2)では、ちゃんと「RATは使えるよ!」って結論になっていて感心しました。これは数百の学生を対象にした実験でして、全員のRATをチェックしたうえで、
- 拡散思考のレベル(斬新な解決策を思いつく能力)
- 知性レベル(IQ)
- ワーキングメモリ
とくらべたんですね。すると、ちゃんと「やっぱりRATが得意な人は頭がいい!」って傾向がハッキリ出たんだそうな。
まとめ
つまり、面倒なIQテストをしなくても、RATを試せばある程度は自分の頭の良さが判断できる次第。本稿のトップにあげた例題を、数秒のペースで解答できた人は、なかなかの頭脳の持ち主だと申せましょう。
ちなみに、例題の答えを書いときますと、
- 「青、虚、真」=空
- 「出、数、化」=羽
- 「位置、重り、北」=「あ」をつけると県名になる
- 「魚、玉、無」=鉄砲
- 「場、朝、砂」=風呂
といったところです。ちなみに、私は何分たっても上記の答えを思いつけず、非常にガッカリしたことを最後につけ加えておきます(笑)