瞑想してたら「やる気」がなくなった!を解消するには?
瞑想でやる気が下がっちゃった?
瞑想で起きる問題点についてご質問をいただきました。
パレオさんのブログをみて、1年ぐらい瞑想を続けています(普通の呼吸瞑想です)。しばらくは集中力があがった気がして良かったのですが、なんだか最近ちょっと副作用かなと思うような感じになっています。(中略)
なんだかいろんなことが他人事というか、ちゃんとした感じがなくなったのです(説明が難しいですが)。そのせいで何だかやる気まで下がってしまった気がします。
これは瞑想をやりすぎたせいでしょうか?別の原因があるのでしょうか?意見を聞かせてください。
とのこと。瞑想を続けていたら、なんとなくイキイキとした感情が失われてしまった、って解釈でよろしいでしょうか?
瞑想で現実感がなくなったという報告は意外と多い
実は、これはわりとよく聞く問題点で、わたしもかつて似たような感覚を味わった経験がございます。なんというか、自分のまわりにガラスが1枚はられたような状態といいますか、リアルな感触が消えていく感じといいますか、とにかくやる気がなくなる「あの感覚」ですよね。
この問題についてはちゃんとした研究がないんですが、「瞑想のデメリット」を調べた過去のデータでは「瞑想で現実感がなくなった!」って報告もありまして、それなりにありがちな現象なのかなと思います。瞑想でイキイキする人もいれば、逆に生気が抜けちゃう人もいるんだ、と。
マインドフルネスを逃げ場にする
その原因はまだハッキリしてませんけども、前にACTの研究で有名なラス・ハリス先生に聞いてみたところでは、「体験の回避を問題にしてる研究者が多い」とのことでした。体験の回避ってのは、ざっくり言うと「マインドフルネスを逃げ場にしちゃう状態」のことです。
そもそも、マインドフルネスとは「思考や感情を客観的に見る」ってのが基本なんですが、このときに対象と距離をおきすぎて、感情との接点がなくなっちゃうケースが結構あるんですね。そのせいでポジティブな感情すら失われて、生活から色が消えた印象が生まれるわけです。
要するに、
- なんか嫌なことがある
- 嫌なことから逃げるために瞑想をする
- マインドフルネス状態が、嫌なことからの逃げ場になる
- 感情が消える!
って流れです。ネガティブな状態を避けすぎた結果、瞑想のデメリットが出てきちゃうんですね。
アクセプタンスがとても大事
なんとも難しい問題ですが、このデメリットを解消するのに大事だと言われるのが「アクセプタンス」の考え方。簡単に言うと、そんなにネガティブを悪者にせずに、ちゃんと受け入れ体制(アクセプタンス)を作ろうぜ!って感じです。アクセプタンスはマインドフルネスの大事なパーツのひとつで、ACTでも「嫌な感情に抵抗するな!」ってのが大きなポイントなんですね。
ただし、残念ながら「アクセプタンス」については、まだ基礎研究が進んでいないのが難しいところ。なので、具体的にどうすりゃいいの?ってとこではまだ誰もハッキリしたことが言えないんですよ。これが今のマインドフルネス研究の弱い部分でもあります。
アクセプタンスが育ちそうなテクニックとか
いちおう過去に当ブログで紹介したところでは、
などが効くんじゃないかなーとは思います。いずれも自分のなかの「受け入れ精神」を育てるのが目標になっていて、アクセプタンスに自信がない方は試してみちゃいかがかと。
また、わたしが個人的に「効いたなー」と思ったのが、
の2つです。どちらも動きながら行うタイプの瞑想なんで、自然と「注意の分割」が起きて、マインドフルネスを逃げ場にしなくなるんですよ。集中系の瞑想で気分が沈んだら、動く瞑想に切り替えてみるのもアリではないかと。
この考え方が正しいなら、おそらくヨガや太極拳、SWAYなんかもよさげな気がしますが、このあたりは今後の研究待ち。とにかく、瞑想トレーニングの本などでは、意外とアクセプタンスの大事さが書かれてなかったりしますんで、心にとめておくとよいかと思います。