肌を強引に再生させるピーリングってどうよ?問題
ピーリングってどうよ?
こないだ「肌の黒ずみにはハイドロキノン一択!」って話を書いたところ、「サリチル酸はどうなの?」ってご質問をいくつかいただきまして。
サリチル酸ってのは皮膚の角質をグニャグニャにする作用があるんで、日本だとニキビの治療薬などによく入っております。ニキビ肌の表面にわざとダメージをあたえて、肌の再生機能をうながすわけですね。いわゆるピーリングですな。
サリチル酸が色素沈着に効くのは確実
同様に、サリチル酸は肌の黒ずみにも効くことがわかってまして、たとえばニキビや傷のあとに残ったシミを消すのに使われることが多め。1999年の実験(1)では色素沈着が75%ほど改善したなんて結果も出てまして、それなりに定評がある成分ですね。
このほかにも、ピーリング系だとグリコール酸やトリクロロ酢酸とかがメジャーで、いずれも皮膚科なんかで使われております(2)。
市販のピーリングジェルは低濃度すぎる
ただし、あくまでもわざと肌にダメージをあたえる成分なんで、それだけ危険度も高いのが困り者。そのため、日本製の商品だとサリチル酸が数パーセントしか入ってないケースが多めであります。これでどれだけの効果があるのかは、正直よくわからないところです。
いっぽうで実際に皮膚科などでピーリングを行う場合は、
- サリチル酸 20〜30%
- グリコール酸 20〜70%
- トリクロロ酢酸 10〜25%
ぐらいを使うのが普通だったりします。かなりの差ですな。
自宅で高濃度のピーリングもできますが…
いちおう海外ではこのレベルの濃度の商品も売っていて、日本でも20%のサリチル酸が手に入ったりします。これだけの濃度を使えば、さすがに効果はありましょう。
ただし、上で取り上げたデータでは一部の患者さんに肌の赤みや乾癬が確認されてまして、やっぱり副作用が気になっちゃうところ。個人的には、ちゃんとクリニックでやってもらうほうをオススメします。
また、サリチル酸のRCTを見てますと、たいていは4%のハイドロキノンでプレトリートメントを行ってたりします。やはり、あくまでハイドロキノンを基本に使って、それでもダメならピーリング系を考えるぐらいでよいのではないかと。
まとめ
以上の話をまとめると、
- 日本製のピーリングジェルは意味がなさげ
- 高濃度のピーリングもできるけど、副作用が怖いからオススメしない
- やっぱハイドロキノンを先に使おう!
って感じですね。どうぞよしなに。