一般人がケトジェニックをすると体にどんな変化が出るのか?
ケトジェニックをやるかは好みの問題
当ブログでは、ケトジェニックダイエットについては「体が対応できればやってもいいんじゃない?」ぐらいのスタンスでおります。
というのも、肥満体の人が続ければちゃんと減量できることもわかってる(1)いっぽうで、糖質不足で害が出ちゃう人も少なくないものですから。「ケトジェニックで脂肪が燃えやすくなる!」みたいにヘンな期待さえ持たなければ、あとは個人の体質とライフスタイルの問題かと思います。
健康な成人がケトジェニックを続けるとどうなるか…
ただ、ケトジェニックダイエットで問題なのは、多くの実験が「肥満体」か「アスリート」の2パターンでしか研究してないところです。そのため、肥満体の人には「メタボが改善!」みたいな成果があがっているいっぽうで、アスリートだと「運動能力が下がる!」ような結果が出たりもするんですな。
が、もっとも気になるのは、やっぱ「健康な成人がケトジェニックを続けるとどんな変化があるの?」ってとこでしょう。これだけケトジェニックがメジャーになったにも関わらず、実は健康な成人を対象にした研究ってほとんどなかったんですよね。
ってところで、ドイツの大学が新たにケトジェニックの調査(2)を行ってくれまして、なかなかおもしろいです。
6週間のケトジェニックで自然に体脂肪が減った
これは健康な男女42人を対象にした実験で、年齢は24〜63才。BMIは19〜30のあいだでして、痩せ型からぽっちゃり体型までを集めたみたい。
実験デザインをざっくり説明すると、
- 実験期間は6週間
- カロリー制限はせず、好きなように食べてもらう
- 3大栄養素のバランスは、糖質10%以下、脂肪75%、タンパク質15-20%
みたいな感じ。それでどんな変化があったかと言いますと、まずは体型の変化から。
- 体重は1.6キロ減
- 体脂肪が4%減(体脂肪率じゃなくて)
- 筋肉が2%減
だったそうな。好きに食べても自動的に痩せているのは、研究者いわく「週の最初のほうで摂取カロリーが減ったからじゃないかなぁ」とのこと。ケトジェニックには食欲を減らす効果があるので、このへんは想定内といったところ。
コレステロールの数字はやや悪化した
続いてメタボの指標を見てみると、
- 中性脂肪3%減
- HDLコレステロール3%増
- LDLコレステロール11%増
- 総コレステロール5%増
- インスリンレベル22.2%減
でした。全体的に血中の脂質が悪化してますね。大騒ぎするレベルでもないですけど、これが1年続いたときにどうなるかは不明かなぁ。
元気系のホルモンは下がっちゃった
さらに体の機能がどうなったかといえば、
- 安静時の代謝が16%減(およそ1日100kcalぐらい)
- T3ホルモンが13%減
- 成長ホルモン(IGF-1)が20%減
- 最大酸素摂取量は2.4%減
って感じで、こちらはかなり気になりますねー。T3は体の熱を生むホルモンで、こいつが下がると元気がなくなりますし、インスリンとIGF-1は筋肉の成長に関わるので筋トレ野郎としてはどうなんだろう、みたいな。
まとめ
というわけで、個人的には「やっぱケトジェニックはやんなくていいや…」って気分になりました。一般人が実践した場合は、アスリートにくらべて身体パフォーマンスの悪影響はほぼないみたいですが、私はコレステロールが上がりやすい体質なのと、代謝系のホルモンが下がると仕事の生産性に問題が出そうなので。
実践してみたい方は、上記のメリットとデメリットをふまえたうえで行っていただければと思います。どうぞよしなに。