男性ホルモンが増えるほど他人にダマされやすくなっちゃう問題
「男性ホルモンが増えると思い込みに弱くなる!」っておもしろい論文(1)が出ておりました。なんでも、テストステロンが増えた男性ほど「俺は正しい!」って直感のままに行動しちゃうというんですな。
あなたが思い込みに弱いかどうかを判断する3問
これはカリフォルニア工科大学の実験で、243人の男性を2つのグループにわけております。
- テストステロンのジェルを塗る
- ニセのジェルを塗る
そのうえで、全員に簡単な算数の問題をぶつけたんですね。具体的には、
- バットとボールが合わせて110円で売られています。バットはボールよりも100円高いです。それではボールはいくらでしょう?
- 5つの部品を作るためには、5台の機械を5分ずつ使う必要があります。では、100台の機械で100の部品を作るためには、何分かかるでしょうか?
- ある湖にハスの葉が浮かんでいます。ハスの葉は、毎日2倍に増えます。湖全体がハスの葉で覆われるまでに48日間かかりました。では、ハスの葉が湖の半分を覆うのには何日かかりますか?
みたいなやつ。お気づきの方も多いでしょうが、いずれの問題も、人間のバイアスについて説明した本(「思考のトラップ」とか)でよく紹介されている定番のネタであります。
3つの質問の誤答と正答
これは2005年にイエール大学の先生が作った問題(2)で、この3つが解けるかどうかで、その人がどれだけバイアスにダマされやすいかが判断できるというんですな。具体的には、上の問題から
- 10円
- 100分
- 24日間
と答えちゃった方はダマされやすいタイプなのでご注意ください。正しい答えは、
- 5円
- 5分
- 47日
となっております。実はわたしも、初めてバットとボールの問題を見たときはまんまとダマされました(笑)
自信がつくと思い込みに弱くなる
さて、テストステロン実験の結果は予想どおりで、
- テストステロンを塗ったほうが正解率が20%低かった!
というもの。そもそもテストステロンには自信をアップさせる作用があるわけですが、そのせいで逆にバイアスには弱くなっちゃうみたいですな。ちょっと前に書いた「自信のデメリット」ともやや重なる話ですね。
ちなみに、上で紹介した3問をすべて間違えた方も悲観なさいませぬよう。なんせハーバードやイェールの学生に同じ問題を試したところ、完全に正解できたのは17%ぐらいだったそうなんで。
おそらく、自分の知性に自信があるインテリだからこそ、バイアス系の問題にはコロッとダマされがちってことなのかもしれませんねぇ。このへんは「生まれつきの天才に勝つには合理性トレーニングしかない!」って話とかぶりますな。
いずれにせよ、テストステロンは増えすぎても減りすぎてもよくないってことすかね。まぁ、とりあえず「ナチュラルなテストステロンアップ法」を守っておけば、自然とテストステロンが適正値になるとは思いますが。