過去のトラウマは腸内細菌に消えない傷を残す
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過去のトラウマが腸内に大ダメージを
お腹を壊すとメンタルもやられるよ!みたいな話をよく書いてるんですけど、新しい研究(1)では、「過去のトラウマ体験で腸内フローラが激変する!」って怖いデータが出ておりました。
これはカリフォルニア大学の研究で、IBSに悩む患者さん29人と、健康な男女23人を対象にしたもの。IBSはお腹に謎の痛みや下痢が起きる症状で、まだ明確な治療法がない難病であります。
子供時代のトラウマが腸内細菌を減らす
実験では、まず全員の便サンプルを調べて、それぞれの腸内細菌の構成、多さ、種類などをチェック。さらに腸内細菌のDNAや参加者の脳の構造なども解析してくらべたところ、
- IBSの患者さんには、健康体の人にくらべて、腸内細菌が量や種類が激しく少ないケースが多い
- 腸内細菌が乱れている患者さんには、子供のころに精神的なトラウマを負っているケースが多かった
- 腸内環境のダメージ大きい患者さんほど、普段から鬱や不安に苦しむ割合が多い
って結果だったそうな。研究者いわく、
子供のころに受けたトラウマが、脳から腸や腸内細菌にストレスのシグナルを伝達。その結果として、生涯にわたって消えないダメージが腸内フローラに残る可能性がある。
子供のころに虐待やネグレクトといったトラウマを負った人は、成人してからも腸内環境が悪化している可能性が大きいのではないか、と。心の傷が、腸内環境に消えない傷を残すかもしんないわけですな。
脳の変化と腸内変化の関係
さらに、IBSと脳の関係については、
- 腸内フローラがダメージを受けている患者さんは、脳の構造にも変化がみられた
って結果だったそうな。はたして脳の変化が腸に伝わったのか、それとも腸のダメージが脳を変えたのかは不明ですが、過去のトラウマが脳と腸をつなぐシステムに影響をあたえているのは間違いなさげ。
「生涯にわたって消えないダメージ」と言われるとビビッちゃいますが、近年では「プロバイオティクスでなんとかなるかも!」って知見も増えてきましたし、まだまだ希望はありそうに思います。過去のトラウマにお悩みの方は、とりあえず認知行動療法などで現在のストレスを減らすところから始めてみちゃいかがでしょう。