「笑顔」で相手の気持ちを判断するための3パターンの表情
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ヒトは楽しいだけで笑うわけではない問題
相手の表情から気持ちを判断するのに役立ちそうな論文(1)が出てたんでメモ。
これはウィスコンシン大学の実験で、研究者の問題意識はこんな感じです。
「笑顔」の見分け方ついて、これまで科学者も一般人も同じ側面に注目してきた。すなわち、「心からの笑い」か、それとも「作り笑い」かの2つしか見てこなかったわけだ。
多くの人は、「作り笑い」についてこう思っている。本当に幸福でもないのに笑えば、それはニセモノだと。
しかし、現実には、ヒトは多くの異なる状況で笑い、そこには様々な感情が込められている。
つまり、ヒトは単に楽しいから笑うだけでなく、別の気持ちから笑うケースも多いんだ、と。確かに「愛想笑い」とか「敵意のなさを表すための笑い」とか、いろんなパターンがありますもんね。
笑顔には3つのパターンがある
ってことで、研究チームは、まず人間の表情筋をベースに数千の「笑顔」のCGを作成。これを参加者たちに見てもらって、自由に分類してもらったわけです。
そこで、論文では「ヒトはどんな時に笑顔を使うの?」って問題を3つの類型にわけたんですな。
- 報酬的笑顔(Reward):赤ちゃんを見たときに思わず笑い返してしまうときの笑い。「いま気分がポジティブだ!」という気持ちを表すために使われ、自分や他人への報酬として働く。他人へポジティブな体験や意図を伝えたいときに出やすい。この笑顔が出れば、とりあえず本当に何かに興奮していると判断できる。
- 親和的笑顔(Affiliative):社会的な結びつきを増すために使う笑い。相手に対して「存在を認めてますよ」や「私は寛大ですよ」と示すために使われる。「まぁ別にあなたのことは好きじゃないけど、とりあえず敵意がないことは表しとくか」ぐらいの感じ。
- 支配的笑顔(Dominance):社会的な権威を示すための笑い。「オレは偉いんだ!」とか「この場を仕切るのはオレだ!」と表現したいときに使われる。自分のプライドを高めたり、相手を密かに軽蔑しているときに出やすい。
異性とのデートの場面を例にすれば、相手が「報酬的笑顔」を見せれば会話が上手くいってる証拠だし、「親和的」ならもうちょい頑張ったほうがいいし、「支配的」だったら脈なしってことになりましょうな。
3つの笑顔の特徴とは?
ってことで、具体的な笑顔の例は以下の画像のようになってます。左から「報酬的」「親和的」「支配的」の順。
もちろん、この写真を大げさに作った笑顔なんで、現実の世界ではもうちょい区別はつきづらい感じ。具体的な特徴でいえば、
- 報酬的:歯が見えたうえに頬骨の位置が上がる
- 親和的:歯は見えないが口の横幅が広くなる
- 支配的:眉がかすかに上がり、やや口がゆがむ
ってとこでしょうか。報酬的笑顔はわかりやいですが、親和的笑顔と支配的笑顔の取り違えは結構ありそうな気がしますね。よりよいコミュニケーションの一助にお使いください。