熱風で揚げ物を作る「ノンフライヤー」ってどこまで体にいいの?問題
油を使わない揚げ物は体にいいのか?
調理器具に関するご質問をいただきました。
ノンフライヤーってどう思われますか?油を使わないのは良さそうですが、それ以上に体に良い面があるのでしょうか?
ノンフライヤーってのは、油を使わずに熱風だけで揚げ物を作る器具。油を使わないのでヘルシーなうえに、味わいも良いと言われてるんですな。
有名なところでは「カラーラ」とか、フィリップスの「ノンフライヤー」とか。どちらも熱風で仕上げるタイプっすね。
普通の揚げ物とノンフライヤーの組成をチェック
で、まだノンフライヤーの実証研究は少ないんですけど、わりと最近に韓国の大学がいい感じの実験(1)をしてくれまして、これが参考になるのではないかと。
どういう実験かと言いますと、
- 普通に油で鶏肉とポテトを揚げる
- ノンフライヤーで鶏肉とポテトを揚げる
の2パターンで調理をしたうえで、食材のカロリーや酸化レベルを調べていったわけです。
使った器具はトライスターのFR-6929(揚げ物用)と、フィリップスのHD9220(ノンフライヤー)。揚げ物の脂には、キャノーラ油、大豆油、オリーブオイルなどが使われております。
ノンフライヤーでカロリーが大きく減るのは間違いない
で、結果がどうだったかと言いますと、まずはノンフライヤーのいいとこから。
- 油の揚げ物にくらべてノンフライヤーは脂肪が70%減り、100gあたり45kcalのカロリー削減になる
- ノンフライヤーのほうが、調理後の嫌な臭いは少ない。後味もノンフライヤーのほうが上
ってことで、ノンフライヤーのほうが味が良くて脂肪が少ないんだ、と。100gあたり45kcalってのは、普通に揚げ物を食べるよりかなり良いですねー。この点だけでも、ノンフライヤーを買う動機にはなりましょう。
ノンフライヤーでも有害物質の量は減らない
続いて、ノンフライヤーが大したことないところは、
- ノンフライヤーも普通の揚げ物も、抗酸化物質が劣化レベルはあんま変わらない
- どちらの調理法でもアクリルアミド(発がん性物質)の量はほぼ同じ
って感じです。研究者いわく、
ほとんどの化学物質のパラメータは、油で揚げてもノンフライヤーでも似たようなレベルだった。特に、発がん性物質であるアクリルアミドの量はほぼ同じだ。
とのことでして、このデータを見る限り、ノンフライヤーのメリットってのは「大きくカロリーが減る!」の一点につきる感じではないでしょうか。
個人的には、そもそも高温調理の反対派ですんで今後もノンフライヤーを使うつもりはないわけですけど、どうしても揚げ物が食べたい方には良いチョイスではないでしょうか。摂取カロリーが減るだけでも大分違いますからねぇ。