豆は痩せるのか?問題に決着が着いたかもしんない件
豆はダイエットにいいのか?
以前から「豆は痩せる!」って説がありまして、「豆腐ダイエット」みたいな手法もあるわけです。
が、これまでも「豆のダイエット効果」について調べたデータはあったものの、割と結果がバラバラで、どれを信じていいのかがわからなかったのが難点でありました。そんな状況下、ようやく「豆が痩せるかどうか白黒つけたぞ!」って論文(1)が出てまして、いろいろ参考になりました。
豆の減量効果を徹底的に調べた
これはマクマスター大学の論文で、過去に出た「豆とダイエット」に関する研究から21件のRCTを選んで精査したもの。サンプル数940人のメタ分析になっていて、信頼性は高めであります。
データを選別した基準はといいますと、
- 3週間以上の実験を行っていて、ちゃんと「豆を食べない」グループと等カロリーで比較している
- 油料種子を除く豆類(そら豆、レンズ豆、ヒヨコ豆、いんげん豆など)
みたいな感じ。こちらもよろしいのではないでしょうか。
豆はそこそこ体重減少に役立つ
さて、これでなにがわかったかと言いますと、
発見1.豆類はダイエットにそこそこ効く
だいたい、1日132gの豆類を食べると、6週間で0.34kgの減量につながったそうな。もちろん、これは意図的なカロリー制限をしなかった場合の数値で、多くの実験では自然と食欲が減っていったとのこと。
6週間で0.34kgと聞くと「ちょっとショボいな…」って感じもありますが、カロリー制限なしの数値としてはそこそこではないかと。もっとも、すべてのデータは過体重&肥満の人が対象なので、それ以外の人に同じ変化が出るかは不明。
発見2.ただし体脂肪やウエストサイズへの影響はほとんどなかった
全体的には、豆類で1%ほどのウエストサイズ減少がみられたんですが、いっぽうで体脂肪の減り方は統計的にはかなりギリギリのライン。ざっくり見れば体脂肪も減少傾向ではあるものの、別のデータを混ぜたら結果が大きく変わりそうなレベルではあります。
体重が減って体脂肪に変化がないのは謎ですけど、そもそも、この手の実験で体脂肪をしっかり計ってるケースがレアですからね。どっちかと言えば体重のデータを信じたほうがよさげ。
なぜ豆類で体重が減るのか
ってことで、パッとしないながらも「豆類にはダイエット効果あり!」との結論です。その理由としましては、
- タンパク質が豊富:タンパク質には食欲の調整効果があるので、当然ダイエットには効く。ただし豆類は、鶏肉などとくらべてアミノ酸のバランスが悪いので注意。
- 水溶性食物繊維も豊富:食物繊維が満腹感を増やすってデータも昔から多い。
- レジスタントスターチも入ってる:腸内で酪酸を増やし、食欲を調整する作用がある。
といったあたりが有力視されておりました。やっぱ、ダイエットにはタンパク質と食物繊維の2つが超大事!といういつもの結論ですねー。
まとめ
ちなみに、いちおう個人的な豆類への見解も書いておきます。まず、ガチのパレオダイエットでは豆類がNGなんですけど、近年では「原始人も豆類を食べてた」って話もありますし、抗栄養素もそこまで怖いわけじゃないしで、加工食品ほどは遠ざけてはおりません。
ただ、先にも書いたとおり、豆類はアミノ酸のバランスがイマイチなのと、イソフラボンでテストステロン下がるんじゃない?って疑惑もありまして、個人的は積極的には口にしていなかったりもします。タンパク質は鶏むね肉でとったほうがいいし、レジスタントスターチは別に飲めばいいですしねぇ。まぁ「味が好きな方は豆もどうぞ?」ぐらいの感じでしょうか