このブログを検索

抗生物質ってデブの原因になっちゃうんじゃない?問題

Frug

  

抗生物質で太る? 

日ごろから「抗生物質の使いすぎは怖いよねー」 みたいな話をよく書いております。もちろん細菌に感染しちゃったら使うしかないんだけど、日本みたいに抗生物質を乱用ぎみな社会では、わりと腸内細菌へのダメージが大きくなりがち

 

 

で、ここ数年よく言われるようになったのが、「抗生物質って肥満の原因になるんじゃない?」みたいな話です。というのも、腸内環境の悪化によって食欲が暴走するって説がわりと認められてきたので、だとすれば腸内を荒らす抗生物質も肥満の原因になるのではないか、と。ちょっとありそうな話ですわな。

 

 



抗生物質の使用が多いほど体重が重い

そんな状況下、「抗生物質って太るの?」について調べたナイスな論文(1)が出てて参考になりました。これはジョンズ・ホプキンス医学校の研究で、163,820人分の健康データを使って「抗生物質と肥満って関係あるの?」って疑問をチェックしたもの。サンプルの対象年齢は2〜18才となっております。

 

 

それでなにがわかったかと言うと、

 

  • 抗生物質の使用が多い子供は、ほかの子供よりも、15才の時点で0.73–1.50 kgほど体重が多い傾向があった
  • 8才になる前に抗生物質を12回以上使った子供は、ほかの子供より3.5%重い傾向があった

 

といった感じ。とりあえず、抗生物質と体重の増加にはハッキリした関係がみられたわけっすね。

 

 

抗生物質で太る可能性はありそう

ただ、ここで難しいのは、抗生物質を止めたら体重の増加が止まった子供がいたいっぽうで、抗生物質を止めたのに体重が増え続けた子供もいたとこ。その分かれ目がどこにあるかはよくわかんないんですけど、「もしかしたらBMIによって違うのかなー」ぐらいの印象になっております。腸内環境は人によって違いすぎるので、反応も違うんでしょうねぇ。

 

 

もちろん観察研究なので因果はわからないものの、いちおう現時点ではデータ数が最大なので、やっぱ抗生物質は太るのかなーという感じ。過去の動物実験でも似たような結果は出てますし、それなりに精度が高い説だろうと思われます。

 

 

ってことで、とりあえず抗生物質が肥満を引き起こす可能性は十分にありそう。といっても細菌感染したら使わないわけにもいかないので、その際は「抗生物質がもたらす健康ダメージを最低限に防ぐためのガイドライン」などで示した対策を事後にとっていただければと思います。

 

 

ちなみに、抗生物質のついでに、ガーリックやジンジャー、オレガノ、ターメリックハチミツあたりを加えとくとよいかもしれません。いずれも免疫を整えるために役立ちますので。では、どうぞよしなに。

 


スポンサーリンク

スポンサーリンク

ホーム item

search

ABOUT

自分の写真
1976年生まれ。サイエンスジャーナリストをたしなんでおります。主な著作は「最高の体調」「科学的な適職」「不老長寿メソッド」「無(最高の状態)」など。「パレオチャンネル」(https://ch.nicovideo.jp/paleo)「パレオな商品開発室」(http://cores-ec.site/paleo/)もやってます。さらに詳しいプロフィールは、以下のリンクからどうぞ。

INSTAGRAM