太るほど脂肪が燃えにくい体になっていくって本当？
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太るほど代謝は下がる？
肥満と脂肪の燃焼に関するご質問をいただきました。
太ると脂肪が燃えにくくなると言われたのですが、これは本当でしょうか？太るほど脂肪がつくせいで脂肪が燃えにくくなり、痩せにくい体質になっていくと言うのですが…。
とのこと。太れば太るほど代謝が下がっていき、さらなる肥満の原因になるのではないか、と。確かに太った人は代謝が引くようなイメージもなんとなくありまして、これが事実なら困った問題ですもんねぇ。
3500人分の代謝変化をまとめた
が、まずは結論から言っちゃうと、事実はその逆です。体脂肪が増えるほど人間のカラダは代謝が上がるようにできているんですよ。
ここでもっとも参考になるのは、2016年に出たレビュー論文でしょう(1)。これは、過去に出た「肥満と代謝」に関するデータから3500人分の記録をまとめて相関を出したもの。ひとことで代謝といってもいろいろありますが、この中では、
- 基礎エネルギー消費量：人体の機能を正常に働かせるために消費されるカロリ−
- 安静時エネルギー消費量：何もせずじっとしてても自動的に消費されていくカロリー。総消費カロリーの50〜75％を占める
- 活動エネルギー消費量：運動で消費されるカロリー
- 食物の産生熱量：食事の消化活動によって消費されるカロリー
の４パターンをチェックしております。
太った人は350kcalも代謝が高い
で、全体の代謝量をプロットして何がわかったかと言いますと、
- 太った人は標準体重の人に比べて平均で1日360kcalも脂肪が燃えやすい！
って事実です。この数値は1日49〜826kcalのあいだで散らばっていて、BMIが高ければ高くなるほど消費カロリーも増えていく感じ。基本的に、体がデカければ代謝も増えていくわけですね。
さらに細かい話を申し上げますと、
- 食物の産生熱量が増えるか減るかは、データが食い違っててよくわからない
- 体脂肪が増えると同時に筋肉も増える（増えた体重を維持するため）のが、代謝アップのおもな原因にになっているっぽい
といった解釈になっております。まぁ代謝アップが筋肉の増加のせいかどうかはまだハッキリしないものの、とりあえず太るほど脂肪が燃えやすくなってるのは確実かと。
これは考えれば当たり前で、「パレオダイエットの教科書」にも、太った人は自動的に痩せるための仕組みがいろいろ備わっているなんて話を書いております。人間がもとの体重をキープするための自然な変化な訳ですね。どうぞよしなにー。
