「引っ込み思案を治す方法はこれだ!」というカーネギーメロン大学の実験
「引っ込み思案は治せる!」というおもしろい論文(1)が出ておりました。これはカーネギーメロン大学の実験で、研究の動機はと言いますと、
恥の感情には、他人のアドバイスが必要な状況でも、実際の行動に移すのをさまたげしまう効果がある。たとえば、積み重なったローンの支払い、まさかの妊娠といった状況でだ。多くのケースでは、他人に助けを求めなければならないような場面では、私たちは恥の恐怖を乗り越えなければならない。
だそうです。私も相当な人見知り&引っ込み思案 なんで、この問題意識はよくわかるとこです。おかげで自分でなんでもやっちゃおうとしがちになって、最終的にどえらい手間が発生するという。
過去の研究によれば、シャイな人たちは自分自身に意識を向け過ぎる傾向があり、そのせいでネガテイブな感情が増大してしまう。
ってことで、恥ずかしがり屋は自意識過剰だから、そこらへんをなんとかしないといかんよ!って話になっております。まぁわかってるんですけどね……。
さて、研究者は3つの実験をしてまして、それぞれ180,107、220人の学生が対象。まずは全員の引っ込み思案レベルや自意識過剰レベルを計測したうえで、いくつか恥ずかしい状況に追い込んでおります。具体的には、
- ヨガクラスの最中にオナラをしてしまったシーンを想像する
- 好きな人の目の前でオナラをしてしまったシーンを想像する
- 研究者に過去の性体験をくわしく聞かれる
って感じ。妙にオナラが多いのが気になりますが(笑)、まぁ定番ですよね。
で、当然ながら自意識過剰レベルが高い参加者ほどストレスが増したんですけど、ここで「あること」をしたら、いっきに恥ずかしい感情が減ったというんですね。それは、
恥ずかしい状況でも私たちが落ち着くための最高の方法は、自分の意識を恥ずかしい状況の真ん中に置くのではなく、その恥ずかしい状況を外側から見ている人の立場で考えてみることだ。
もしあなたが恥ずかしがり屋なら、自分を傍観者として考えてみればいい。そうすれば、自然と「それが何?そんな悪いものじゃないでしょ」という気持ちになる。
というものです。上の例でいえば、いま性体験を話してる自分じゃなくて、性体験を話してる他人を見るような気持ちになってみるってことですな。以前に「「悩みを解決したいときは、他人の視点で考えてみよう!」の正しさが実験でも確認される」って話もありましたけど、この手法は自意識過剰の引っ込み思案にも効くんだ、と。やっぱりこれかー。
さらに、たんに他人の視点に立つだけじゃなくて、ここで自分に長期的な視点からアドバイスを送ってみると、恥を打ち消す効果が激しくアップするとのこと。たとえば、
痔の薬を買うのが恥ずかしかったとしよう。そんな時は、恥ずかしがっている自分に対して他人の視点でアドバイスを送ってみればいい。「OK。もし痔の薬を買わなかったとしたら、そのまま痛みに苦しむことになるし、もしかしたらイスが血まみれになるかもしれないし、スーツも汚れてしまうかもしれない。やることは店員に尋ねることだけなんだから。それだけの手間を惜しむと、ひどいことになるんじゃない?」と言ってみればいい。
みたいな感じ。自分に「最悪の状況」を想定したアドバイスを送ることで「心理対比」が効くようになり、さらにいまの状況を俯瞰で見られるようにならるらしい。これはわかるなぁ。私も、気をぬくと持ち前の引っ込み思案が爆裂するんで、さっそく使ってみたいと思います(笑)